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DeNA 遺伝子検査サービス「マイコード」開始

2014年 7月18日 18:31

 ディー・エヌ・エー(DeNA)は8月中旬から、消費者向け遺伝子検査サービス「マイコード」を開始する。唾液から遺伝子情報を読み取り、がんや糖尿病、高血圧、心臓疾患といった生活習慣病などを発症するリスクを検査するというもの。検査キットは「マイコード」専用サイトのほか、アマゾンでも販売する予定。

 遺伝子解析に関する1400報以上の研究論文から選んだ、400報以上の論文をベースとして、検査を受けた人の遺伝子情報が、統計学的にどのような特徴を持つのかを割り出す仕組み。胃がん・肺がん・食道がんなど40種類のがん、糖尿病・高血圧・心臓疾患など25種類の生活習慣病、その他疾病リスクのほか、肥満や肌質といった体質関連も含めて、最大283項目に関する情報を提供する。

 検査には、全ての検査項目を網羅した「オールインワン280+」(価格は税別2万9800円)、がん・生活習慣病・体質から100項目を選んだ「ヘルスケア100+」(同1万9800円)、肥満・肌質・髪質など体質に関する35項目を選んだ「カラダ30+」(同9800円)の3コース。専用ウェブサイトから検査を申し込むと、検査キットが申込者の自宅へ送られる。申込者は同意書にサインし、唾液を入れて返送。唾液は検査ラボで分析され、検査結果は個人の専用ページから確認できる。最短で1週間から2週間程度で解析可能という。検査内容の追加・更新や健康情報の提供を行うほか、オプションで認定遺伝カウンセラーや臨床心理士、医師による健康支援プログラム・カウンセリングも用意した。

 検査結果については、「あなたの遺伝子型の肝臓がんの発症のしやすさは、日本人平均の1・46倍」といった形式で、疾患別にリスクをレポート。解析した遺伝子の科学的根拠を説明するほか、疾患を予防するためのアドバイスや、予防のために必要な栄養素を摂取するためのレシピなども提供する。

 ハンチントン病や筋ジストロフィーといった「遺伝性疾患」や大腸がんや乳がんなどの「家族性腫瘍」に関する情報は、遺伝的な要因で病気になる可能性が高いことから、医療行為への該当を避けるために情報を提供しない。「薬剤体質」や「能力」、「祖先ルーツ」については、サービススタート時には対象外とするが、倫理面などを考慮しながら項目を増やしたい考え。

 7月9日に開催された記者会見で、DeNAの南場智子取締役ファウンダーは「科学的根拠や信頼度、疾患別情報の充実、カウンセリング体制の充実など、現時点で可能なものとしてはもっともクオリティーの高いサービス実現にメドがついた」と自信を見せた。

 4月に設立されたDeNAライフサイエンスの深澤優壽社長は「年齢や性別などでターゲットは絞っておらず、幅広い層に使ってもらいたい」と説明。利用人数の目標などは特に設けていないという。今後は「遺伝子検査に限らず、幅広く健康に役立つサービスを考えていきたい」とした。検査結果による食品や健康食品の販売といったレコメンドや、個人にあわせた健康食品・医薬品の開発などは、現段階では考えていないという。

 また、個人情報を守るためのセキュリティー体制については「最重要視しており、情報セキュリティーマネジメントシステムの中で、物理的なセキュリティーや人的な取り決め・プロセスなど、厳しい基準を設けている」(DeNAライフサイエンスの深澤社長)と説明した。

 会見後には、共同研究のパートナーとなる、東京大学医科学研究所内に設けた検査ラボを報道陣に公開。送られてきたDNAを解析装置で自動化して解析する仕組みや、結果を画像で示したデモ画面などを紹介した。
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