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【ランクアップの岩崎裕美子社長に聞く 「会える通販」の狙いと今後の成長戦略】 「お客様との触れ合い、より深く」、顧客が顧客を呼ぶ会社に

2019年 7月26日 09:48

 ランクアップは今期、売上高が前年比約6%増の110億円で着地する見通しだ。2017年に100億円を突破したが、その成長力に陰りはない。一方で岩崎社長は規模拡大の中で「危機感もあった」と話す。顧客との距離感だ。こうした状況を受け、昨年には顧客を対象にしたファンイベント「会える通販」を始めている。成長の背景と今後の戦略を岩崎社長に聞いた。
 
 ――今後の通販の成長性をどう見ている。

 「成長は目指すが規模は追わない。フォーカスしているのは、お客様と直接会い、リレーションを深めること。好きなものは自然に紹介する。製品の良さを伝えられる自然な広がりを増やしたい。売り上げは結果としてついてくる」

 ――ファンイベントである「会える通販」を始めた狙いは。

 「規模拡大の中で顧客と距離が遠い会社になる危機感は持っていた。直接、お客様と触れ合い、より深くつながることで、広告による集客に依存せず、愛用者が新しいお客様を連れてきてくれる会社になりたい」

 ――通販のみの展開には限界を感じるか。

 「これまで通販で広告の力を借りて新規獲得を進めてきたが、同じ方法だけで接点を持ち続けることは難しい」
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 ――イベントの内容は。

 「今期に1000人のお客様に会うことを目標に始めた。1回の参加人数は約20人。食事会など固定のイベントのほか、ワインを飲む会や子連れで参加できる夏休みの自由研究などさまざまな切り口で企画している。これまで50回以上開催し、900人近いお客様にお会いしてきた」

 ――本業との関連性が薄いイベントもある。

 「販売は目的にしていない。美と健康に関わる趣味の集いのようなイベントを通じて化粧品の会話も弾むような、お客様同士が集うサークルのような場にしたい」

 ――運営体制は。

 「専任の担当を置きつつ、3カ月に一度、各部署の持ち回りでプロジェクトチームを組織して企画している」

 ――開催後の変化は。

 「知っていたつもりだったが、より多くの方が商品を試して購入することを望まれていた。直営店の出店にも通じるものがある。限定商品の定番化などの要望も迅速に対応している。お客様側の変化としては、購入点数の増加などロイヤリティ向上がみられる」

 ――事業の取り組み姿勢に対する変化は。

 「社内には業務内容からお客様と接する機会が少ない社員もいる。だが、実際お会いして喜びの声を聞くことで仕事に対する誇り、自信につながる。『肌を変える、人生が変わる』という理念とのつながりを実感でき、次のアイデアが生まれる。社員の成長につながりよい循環になっている」

 ――今後どのように発展させていく。

 「全国でさまざまなイベントが催され、人気があってなかなか抽選が当たらないようなファンイベントに発展させたい。今年は、新規客向けのイベントも行いたいと考えている」

 ――今年4月には、本社にコールセンターも設置した。

 「外部委託中心の体制は変えないが、顧客の声に基づく改善を加速させていきたいと考えた。今日届いたカタログ、広告の反応を、リアリティをもって瞬時に受け取りたい。製品に対する満足度、紙面に対する意見は一部の声が全員を代表している側面がある。広告文言のピントがずれていたり、何かしらがっかりしていることもあるかもしれない。外部委託するコールセンターとは定期的な会議で共有しているが、より早く把握するアンテナとなる仕組みが構築したかった」

 ――来期の戦略は。

 「課題の一つは、ブランディング。『MANARA(マナラ)』がどのようなブランドとして認知を得るか。海外展開も強化する中で、提供価値の言語化や、ブランドイメージを形成するレギュレーションを整理する必要がある」

 ――今年6月には初となる直営店も出店した。

 「やみくもに増やすことは考えていない。レギュレーションの整理を通じて卸先店舗で売り場設計を行える力をつけることが必要。そうなれば棚が取れ、そこで接点得られる新規客も増えると考えている。ショールーム機能としての直営店や期間限定店は必要性を見極めつつ展開できればと考えている」

 ――商品政策は。

 「主力のクレンジング、洗顔料ともに伸びているが、今後、新規獲得につながる第3の柱となる製品は必要と考えている。新規事業として就活スクールも始めている」

 ――化粧品とは全く異なる分野だ。

 「昨年度から有志を募り、新規事業の創造に向けた取り組みを始めた。『マナラ』も一人の悩みから生まれ、今では主力クレンジングが200万人のユニークユーザーを抱えるまでに成長した。大事なのは、ペルソナではなく、自分や大切な人の悩みに寄り添うこと。1人の悩みに向き合い、解決することが多くの人の幸せに貢献する近道と考えている。化粧品に限定せず、個々の社員がミッションの達成に向き合う中で新たな事業を立ち上げていきたい」
 
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