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消費者庁がシップスに措置命令、景表法は表示主体が焦点?

2010年 7月 8日 14:09


販売サイトは"お咎めなし"


消費者庁は6月24日、衣料品販売大手のシップスが、スタートトゥデイの運営する通販サイトを通じて販売した婦人靴に景品表示法の規定(優良誤認)に違反する事実が認められたとして、シップスに措置命令を行った。サイト上の表示主体がシップスであるとして同社のみに措置命令が下ったが、今年3月には住金物産が製造し、QVCのテレビ通販で販売した商品に優良誤認が認められたケースでは両社に措置命令が下っており、商品の"表示主体"によって分かれる判断には業界から疑問の声が上がりそうだ。

問題の商品は、昨年6月25日から9月14日頃まで、スタートトゥデイの運営するファッション通販サイト「ゾゾタウン」で販売された婦人靴「ムートンモカシン」。

 シップスは、米メーカーのミネトンカから輸入した当該商品について、サイト上で「天然の羊毛を使用し、じゅうたんの上を歩くような履き心地」などと紹介したが、実際の原材料は牛革とアクリル繊維だった。

 シップスによると、米メーカーから婦人靴を仕入れる際、誤ってムートンを使用していない商品を発注したという。

 当該商品はシップスが展開する実店舗でも販売しており、店頭で消費者に指摘されたことで発覚。販売した約800足のうち、290足が「ゾゾタウン」で販売されたものだった。

 消費者庁では、「通販サイトに掲載された表示内容はシップスが全面的に決定しているため、同社にのみ措置命令を行った。店頭での販売分は『ムートン』の表示が確認できなかった」(表示対策課)とする。

 今回、ネット販売で直接の販売事業者であるスタートトゥデイは商品表示の主体ではないと判断された。しかし、住金物産が中国の協力工場で製造し、QVCがテレビ通販で販売した掛け布団の素材が表示内容と異なっていた件では、今年3月末にQVCも景表法違反の措置命令を受けており、表示主体がメーカー側(仕入れ先)であれば販売事業者は"お咎めなし"と捉える企業も出てきそうだ。

 なお、シップスは店頭およびネット販売分ともに、購入者に事情を説明して回収しており、「今後、仕入れから販売までの業務フローを見直し、チェック体制を強化する」(同)としている。



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