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イーベイ・ジャパンの越境EC 北米向けの拡大続く 日本発の「トレカ」が伸長

2024年11月 7日 12:07

 越境ECプラットフォーム「eBay」の日本法人であるイーベイ・ジャパンは10月30日、都内秋葉原でセラー(販売者)や出店希望者向けのセミナーを開催した。当日は越境ECの参入メリットをはじめ、近年注目のトレーディングカード(トレカ)をはじめとしたコレクティブルズカテゴリー市場の伸び率などについて解説。関連商品の出品拡大などを呼びかけた。

 現在、eBayは設立から約30年を迎えており、全世界での商品出品数は約20億点、取引高は約732億ドル(約12兆円)、アクティブバイヤー(購入者)数は約1億3200万人の規模があるという。

 また、同社が引用した統計調査によると、世界でのBtoCのEC市場全体の売上高は2024年が約920兆円、27年には1200兆円まで成長すると見込んでいる。日本からの越境ECでの輸出先の相手国としては、中国が最も高い2兆2569億円、次いで米国が1兆3056億円となっている。

 しかしながら、中国向けビジネスは、通信規制や現地法人の設立など参入する上で障壁があると分析。そのため、2位の規模感とはなるが、米国が越境ECで今後も更なる成長余地があるとし、eBayでの主戦場と位置付けている。

 実際に、eBayを通じた日本からの越境EC事業参入は増加しているようで、23年は日本からの取り引きの伸び率が前年に引き続き2桁成長で全世界で首位となった。販売先としては北米向けが約73%、欧州向けが約16%、アジア向けが8%となっている。

 商材で見ると、日本からは中古品が人気となっており、中でもハイブランドのバッグやカメラなどが上位に入っている。

 そのほか、越境ECの参入メリットとしては、国内の小売市場の成長が鈍化する中、まだ、競合が限られている海外展開で新規市場の開拓が目指せることをはじめ、季節性の商品であっても南半球など日本と真逆の気候ではオンシーズンで販売できることなどを説明。加えて、国内での販売と違い、海外向けの取り引きで得た売り上げに対しては、消費税の還付が受けられることも好材料になるとした。

 「今は為替が150円を超える圧倒的な円安でもあり、(価格面で)大きなメリットがある。外貨を獲得できることも大きい」(同社)としている。

真贋鑑定でトレカに付加価値を
 そして、近年、日本からの取引額が右肩上がりで拡大しているトレカの近況についても解説。トレカは大きく分けて「スポーツ(MLBやNBAなど)」と、「コレクティブルズ(ゲームやアニメなど)」、「その他」の3カテゴリーがある。

 eBayにおけるトレカでのカテゴリー別の規模としては、スポーツが圧倒的な割合を占めるものの、eBay全体の売り上げに対する日本からの販売シェアで見ると、コレクティブルズが9%で最も高く、スポーツは0.2%、その他は1%となる。

 コレクティブルズの取引比率が高くなる背景には、日本作品の人気の高さがあり、とりわけ、「ポケットモンスター」、「遊☆戯☆王」、「ワンピース」など日本発の漫画・アニメ作品で、かつ日本語で表記されているトレカがけん引しているとした。

 また、直近3カ年での日本からのトレカ販売の伸び率推移としては、21年が前年比216・5%増、22年は反動減のため前年比19・9%減となるが、23年は前年比31.9%増となり、再び拡大基調に転じている。

 そのほか、トレカの中でも、第三者による真贋鑑定やグレーディング(ランク付け)を受けている「鑑定カード」が付加価値商品として市場で人気になっているとした。

 なお、セミナー当日には来場した販売者を対象に実際に真贋鑑定の提出ができる専用ブースを会場内に設置。鑑定済みカードとなることのメリットなどを強調した。同社では引き続き、成長が続く同分野での商材獲得に向けて訴求を高めていく考え。
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