取引上のマナー

2011年10月13日 10:09

2011年10月13日 10:09

 東日本大震災発生直後、需要が高まった水。店頭から商品が消え、消費者が水を扱う通販サイトに殺到し、欠品を余儀なくされるネット販売事業者もあった

 ▼この状況を受け、海外からの水の調達を強化するネット販売事業者もあったが、一方で「海外で行儀の悪いことをした事業者もいるらしい」と、ある関係者は語る

 ▼海外の供給事業者との間で夏場の需要期を見越して向こう数カ月間の商品を注文した某ネット販売事業者。震災発生直後の混乱を受け、かなりの数量を発注したらしいのだが、その後、日本での需要が沈静化。調達済みの在庫の処分にも手を焼く状況となり、残りの発注分を急にキャンセルしたのだという

 ▼水は薄利多売の商材。先の関係者によると、海外でも供給者側と販売者側が互いに商品の出し入れを融通しながら取引をしているという。その中にあって大量に発注した商品の突然のキャンセルは、現地の商慣行からすると非常に印象が悪く、供給業者側も「もう取引をしたくないと言っている」という

 ▼供給業者側からすると、そもそもの原因は、需要見込みの甘さにあり、その場しのぎでツケを負わせられるはとんでもない話。水は、食品や飲料を扱う通販サイトにとって重要なマグネット商材だが、今回の問題で海外の商品調達先をなくすようなことになれば、このネット販売事業者にとっても痛手になりそうだ。


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