規制強化に反対

2015年06月18日 17:34

2015年06月18日 17:34

▼「またか。いい加減にして欲しい」―。特定商取引法の見直し議論の中で通販事業者にとっても身近な「電話勧誘販売」について規制を強化する動きが出ており、通販事業者からは失望の声が広がっている

▼今回の件も過去の特商法の規制強化と同じく、ごくごく一部の悪質業者の存在を理由に事業者全体に過度な規制をかけようとしているという構図だ。仮にそうなった場合、通販事業者はアウトバウンドの実施に制限がかけられ、電話による自由な販促が行えなくなり、ビジネス面でも大きな影響が出てくると見られる

▼無論、悪質業者は野放しにしてはならない。法の執行体制を強化し、どんどん取り締まればよい。しかし、それは規制強化とは別問題だ。入口の規制強化は、すでに適正な事業活動を行っているまっとうな事業者のビジネスを阻害するだけで弊害の方が大きい。肝心の悪質業者は規制の網をすり抜けて、存在し続け、だまし続ける。これまで度重なる規制強化を行ってきた現在の状況がそのことを証明している

▼消費者保護の美名の下に繰り返し湧き起こる規制強化。誰のために、そして何のためにやるのか。また、その実効はどうなのか。どうしても「規制したい」のであれば、役人は最低限、今のような「規制ありきの理由付け」でなく、皆が納得できる根拠の提示と規制強化後の効果検証ぐらいはすべきであろう。

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