日本郵便がクラダシと業務資本提携、郵便局でフードロス商品を販売へ

2025年08月06日 16:29

2025年08月06日 16:29

 日本郵便は8月4日、クラダシと業務資本提携を締結した。郵便局ネットワークを活用してフードロス商品の販売や冷凍宅食サービスの導入をすすめる。日本郵便の物販事業が抱えていたネットへの移行の遅れを、クラダシのECサイト運営ノウハウを活用することでクリアする。クラダシは郵便局ネットワークを活用することで、ユーザーの獲得を加速させたい考え。


 日本郵便は第三者割当を引き受け、クラダシ株式121万3900株を1株423円で取得。出資比率は10%で、日本郵便はクラダシの主要株主となった。クラダシはこれにより約5億円の資金を調達する。他社との提携やEC事業の拡大、成長戦略の実現に資金を活用し事業拡大をめざしていく。

 日本郵便はクラダシと連携して、賞味期限の切迫や過剰在庫、パッケージ変更などにより流通機会を失った商品の販売を今秋以降に開始する。日本郵便のECサイトやカタログ、タブレット端末、郵便局を活用して訴求していく。

 ECサイトではフードロス削減コーナーを常設する。高齢者向けにフードロス削減の啓発を盛り込んだ特集ページも展開する。

 冷凍宅食サービスの開発を行い、年内もしくは年明けをメドにサービスを開始する。クラダシ傘下で冷凍宅配食を販売するクロスエッジのノウハウを活かす。両社の共同ブランドとして立ち上げる方針。健康志向に向けた商品を展開や、新規顧客獲得に向けた初期投資について今後協議をすすめていく。

 日本郵便の物販事業の売上比率は2%強。ECサイトの顧客200万人で数十万人のアクティブ顧客を保有する。フードロス商品や冷凍宅食サービスの取り扱いを進めることで、独自性を高めていく。

 このほか物流ロジスティクス分野での協業を推進し、日本郵便のインフラ活用によるコストメリットや配送品質の向上を目指す。また、郵便局ネットワークを活かしたフードロス商品の調達をすすめ、事業モデルを体系化していく。

 クラダシは日本郵便との連携を通じて、新規顧客層との接点拡大を図る。郵便局は全国2万4000カ所を構え、来局者数は2億5000万人にのぼる。通販サイト「Kuradashi」の会員数は現状60万人で、今後会員数拡大を通じてフードロス削減につなげていく。

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