通販専門放送を行うジュピターショップチャンネルがユーザーやインフルエンサー、専門家らの投稿や記事で関連情報を交えつつ、推奨したい商品の特徴などを紹介して販売につなげる、いわゆるソーシャルコマースを展開するサイト「うちのね、」と「CanauBi(カナウビ)」を9月9日に開設した。ユーザー同士のつながりや信頼できる情報を重視したサイトを展開することでテレビではリーチしにくい新規層の獲得につなげる考えだ。狙いや今後について新サイトを管轄する同社ソーシャルコマース部の池田大輔部長に聞いた。
――「うちのね、」「カナウビ」という2つのソーシャルコマース型サイトを新設した。狙いは。
「一昨年4月に次代の中心顧客層となり得る35歳から54歳の方々に認知を高め、新規のお客様になって頂くために『3554プロジェクト』を立ち上げた。テレビ視聴環境の変化などによってテレビ以外のチャネルでの新規顧客獲得を経営課題と捉え、それに対応する新たなビジネスモデルを検討するためのプロジェクトだ。新たなビジネスモデルを検討する上では『テレビに頼らないこと』を前提としてウェブサービス完結型の事業モデルを志向した。また、ショップチャンネルではあらゆる商材を扱っているが、ウェブサービス完結型で展開する際には新規のお客様、とりわけ次代の中心顧客層となる年代の方々を獲得しやすい商材のカテゴリーを絞るべきだろうと考えた。具体的には当社では『ホームハード』と分類するキッチン用品や洗剤などの家庭雑貨と『コスメ』の2つのカテゴリーだ。この2つのカテゴリーに対応する『うちのね、』『カナウビ』をそれぞれ立ち上げることにした」
――ソーシャルコマース型サイトとしてはすでに「コレイヨ」を展開していた。なぜ、新設する必要があったのか。
「『3554プロジェクト』を開始する前の2021年4月に、先の経営課題に対応するためにウェブ完結型サービスとして『コレイヨ』を始めていた。当初はインフルエンサーによるライブコマースを軸に展開していたが22年10月からはソーシャルコマース型で商品を訴求する形にシフトさせ、少しずつスケールし始めてはいたが事業規模をより拡大するためプロジェクト内で今後の方向性を検討することになった。『コレイヨ』はクイックスタートのために、当社の基幹システムと連携せず、倉庫も外部に委託して『ショップチャンネル』とは独立した形とした。商品も独自のものでなく『ショップチャンネル』の商品を取り扱うことでスピーディーなスタートが切れた。ただ、例えば物流面では『ショップチャンネル』の倉庫と外部倉庫間で商品を横持ちする必要があり、コスト効率的によくない点もあった。また、商品も『ショップチャンネル』の商品の内、在庫に余裕があるものをコレイヨへ移管して取り扱う形としたため、商品バリエーションを思うように揃えられないというジレンマもあった。サイトも『ショップチャンネル』とは異なるコレイヨ独自の世界観で構築してはいたが、商品購入機能以外に何か特別な、例えばエンタメ性があるわけではなかった。事業はスケールし始めてはいたが、インフルエンサーに作成してもらった商品を訴求するUGCテイストのリール動画を『インスタグラム』で広告出稿し、それが新規顧客の誘導に一定の成果を出したということが大きい。そうして獲得したお客様に次も購入頂くために、多彩な品ぞろえや、継続的に訪問頂けるようなエンタメ性の高いコンテンツを用意しサービス自体のファンになってもらい、リピート購入にもつなげていくために新しいサイトを一から立ち上げることにした」
――『コレイヨ』と新サイトの違いは。
「まず品ぞろえだ。新サイトでは『ショップチャンネル』の基幹システムと連携させている。当然、それぞれのサイトで取り扱うカテゴリーは絞るが、基本的に『ショップチャンネル』で取り扱う全商品を新サイトで取り扱うことができる。また、『ショップチャンネル』と同じ倉庫を使うことにしたため、〝横持ち〟のコストは発生しない。さらに新サイトではエンタメ性のある機能を持たせた。『うちのね、』ではサイト内に画像付きで商品レビューを投稿して、他のユーザーにフォローしてもらったり、『いいね』を押してもらえる機能を設けている。これによりお買い物以外の来訪動機の創出を図っている。その上で『コレイヨ』でうまくいっていたインスタグラムでの広告展開による新規利用者の獲得を図りつつ、リピーターの醸成に注力していこうと考えている」
――新サイトを2つ開設した理由は。
「特定分野に先鋭化させたかったことが理由だ。SNSでは自身が興味・関心のある事柄を検索し、深掘りしていく傾向が強い。様々なジャンルを扱うより1つに絞って展開する方が当該ジャンルに興味関心をお持ちの方にささるのではないかと考えた。また、今回のプロジェクトの中で事業構想を練るにあたって市場調査を行った。例えば、家庭用品および美容関連品を購入される方はそれぞれ何が購入のきっかけになっているのか、購入の判断材料は何なのか、それはどのような価値観に基づくものなのか。そうした調査結果を分析していったところ、家庭用品は『自分に近しいライフスタイルの人からのおすすめ』に、美容関連品は『信頼できる専門家や美容のプロの推薦』に購入動機を持つ人が多いことが分かったために、それぞれ別にサイトを設けた。それぞれの分野で興味関心を持つ方々に来て頂き、ソーシャルコマースサイトとして活性化させていきたい」(つづく)
通販専門放送を行うジュピターショップチャンネルがユーザーやインフルエンサー、専門家らの投稿や記事で関連情報を交えつつ、推奨したい商品の特徴などを紹介して販売につなげる、いわゆるソーシャルコマースを展開するサイト「うちのね、」と「CanauBi(カナウビ)」を9月9日に開設した。ユーザー同士のつながりや信頼できる情報を重視したサイトを展開することでテレビではリーチしにくい新規層の獲得につなげる考えだ。狙いや今後について新サイトを管轄する同社ソーシャルコマース部の池田大輔部長に聞いた。
「一昨年4月に次代の中心顧客層となり得る35歳から54歳の方々に認知を高め、新規のお客様になって頂くために『3554プロジェクト』を立ち上げた。テレビ視聴環境の変化などによってテレビ以外のチャネルでの新規顧客獲得を経営課題と捉え、それに対応する新たなビジネスモデルを検討するためのプロジェクトだ。新たなビジネスモデルを検討する上では『テレビに頼らないこと』を前提としてウェブサービス完結型の事業モデルを志向した。また、ショップチャンネルではあらゆる商材を扱っているが、ウェブサービス完結型で展開する際には新規のお客様、とりわけ次代の中心顧客層となる年代の方々を獲得しやすい商材のカテゴリーを絞るべきだろうと考えた。具体的には当社では『ホームハード』と分類するキッチン用品や洗剤などの家庭雑貨と『コスメ』の2つのカテゴリーだ。この2つのカテゴリーに対応する『うちのね、』『カナウビ』をそれぞれ立ち上げることにした」
――ソーシャルコマース型サイトとしてはすでに「コレイヨ」を展開していた。なぜ、新設する必要があったのか。
「『3554プロジェクト』を開始する前の2021年4月に、先の経営課題に対応するためにウェブ完結型サービスとして『コレイヨ』を始めていた。当初はインフルエンサーによるライブコマースを軸に展開していたが22年10月からはソーシャルコマース型で商品を訴求する形にシフトさせ、少しずつスケールし始めてはいたが事業規模をより拡大するためプロジェクト内で今後の方向性を検討することになった。『コレイヨ』はクイックスタートのために、当社の基幹システムと連携せず、倉庫も外部に委託して『ショップチャンネル』とは独立した形とした。商品も独自のものでなく『ショップチャンネル』の商品を取り扱うことでスピーディーなスタートが切れた。ただ、例えば物流面では『ショップチャンネル』の倉庫と外部倉庫間で商品を横持ちする必要があり、コスト効率的によくない点もあった。また、商品も『ショップチャンネル』の商品の内、在庫に余裕があるものをコレイヨへ移管して取り扱う形としたため、商品バリエーションを思うように揃えられないというジレンマもあった。サイトも『ショップチャンネル』とは異なるコレイヨ独自の世界観で構築してはいたが、商品購入機能以外に何か特別な、例えばエンタメ性があるわけではなかった。事業はスケールし始めてはいたが、インフルエンサーに作成してもらった商品を訴求するUGCテイストのリール動画を『インスタグラム』で広告出稿し、それが新規顧客の誘導に一定の成果を出したということが大きい。そうして獲得したお客様に次も購入頂くために、多彩な品ぞろえや、継続的に訪問頂けるようなエンタメ性の高いコンテンツを用意しサービス自体のファンになってもらい、リピート購入にもつなげていくために新しいサイトを一から立ち上げることにした」
――『コレイヨ』と新サイトの違いは。
「まず品ぞろえだ。新サイトでは『ショップチャンネル』の基幹システムと連携させている。当然、それぞれのサイトで取り扱うカテゴリーは絞るが、基本的に『ショップチャンネル』で取り扱う全商品を新サイトで取り扱うことができる。また、『ショップチャンネル』と同じ倉庫を使うことにしたため、〝横持ち〟のコストは発生しない。さらに新サイトではエンタメ性のある機能を持たせた。『うちのね、』ではサイト内に画像付きで商品レビューを投稿して、他のユーザーにフォローしてもらったり、『いいね』を押してもらえる機能を設けている。これによりお買い物以外の来訪動機の創出を図っている。その上で『コレイヨ』でうまくいっていたインスタグラムでの広告展開による新規利用者の獲得を図りつつ、リピーターの醸成に注力していこうと考えている」
――新サイトを2つ開設した理由は。
「特定分野に先鋭化させたかったことが理由だ。SNSでは自身が興味・関心のある事柄を検索し、深掘りしていく傾向が強い。様々なジャンルを扱うより1つに絞って展開する方が当該ジャンルに興味関心をお持ちの方にささるのではないかと考えた。また、今回のプロジェクトの中で事業構想を練るにあたって市場調査を行った。例えば、家庭用品および美容関連品を購入される方はそれぞれ何が購入のきっかけになっているのか、購入の判断材料は何なのか、それはどのような価値観に基づくものなのか。そうした調査結果を分析していったところ、家庭用品は『自分に近しいライフスタイルの人からのおすすめ』に、美容関連品は『信頼できる専門家や美容のプロの推薦』に購入動機を持つ人が多いことが分かったために、それぞれ別にサイトを設けた。それぞれの分野で興味関心を持つ方々に来て頂き、ソーシャルコマースサイトとして活性化させていきたい」(つづく)