スクロールのソリューション事業が3年後、利益率8%へ 今期売上高、通販事業に肉薄

2025年11月13日 13:36

2025年11月13日 13:36

 スクロールでは2026年3月期において、ソリューション事業の売上高は363億円を見込んでおり、368億円を予想する通販事業に迫る見通しだ。一方、セグメント利益は15億円を予想、利益率は4・1%にとどまる。同社では3年後の同事業における利益率を8%まで高めたい考えだ、特に利益率の高い後払い決済事業を強化していく。


 今期連結業績は売上高が870億円(前回予想は850億円)、営業利益は54億円(同58億円)、経常利益は58億円(同60億円)、当期純利益は31億円(同40億円)となる見込みだ。売上高はソリューション事業が伸長したことで前回予想を上回るが、のれんの減損などの特別損失計上を踏まえ、減益となる見通し。

 今後のソリューション事業においては、提供サービスに付加価値を加え、収益力を向上させる。特に、後払い決済のキャッチボールは利益率が高いことから、強化していく。同社は近年、電気・水道・ガス料金など役務関連のクライアントを拡大してきたが、不払い率が増加したことから、前期は引当金を計上した。ただ、債権回収および管理を強化し、貸倒引当金比率は改善傾向にあるという。

 スクロールの鶴見知久社長は「債権処理はこの1年でメドがたつので、27年3月期は後払い決済事業がけん引するのではないか」とする。また、物流代行事業についても、利益率が徐々に高まっているという。

 さらに、M&Aを通じて、マーケティングソリューション機能の進化と領域拡大を図る方針。「現状保有する機能を充実、もしくは強化できる企業を加えたい」(鶴見社長)。

 生協事業を中心とした通販事業については、今期売上高見込みを382億円から368億円に下方修正する。夏シーズンの受注獲得に苦戦したほか、前年に創業85周年キャンペーンを展開した反動もあり、見込み額を大きく引き下げた。鶴見社長は「媒体の組み換えなどを行うことで、来期は今期からの落ち幅を最小限にとどめたい」とした。

 不採算商材からの撤退や規模縮小を行っているeコマース事業の今期業績については、売上高147億円(当初予想は136億円)、セグメント利益2億5000万円(同1億6000万円)を見込む。売り上げが下げ止まったほか、防災用品販売のミヨシが伸びたことで、やや上振れする見通し。

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