Aiロボティクスが海外戦略を本格化、29年に売上比率20%目指す

2025年11月13日 13:40

2025年11月13日 13:40

 Aiロボティクスは、29年3月期に海外売上比率を20%に高める。世界的に支持が高いBTSのVさんを主力スキンケアのブランドアンバサダーに起用した。ブランドのプレゼンス向上と海外戦略を本格化する。


 25年3月期の海外売上比率は2・7%だった。中国向けに越境ECを展開。今期は東南アジア、台湾など段階的に進めている。海外売上比率20%は当面の指標で、これを超える水準も視野に入れる。

 独自開発したAIを活用した事業モデルで、商品は年に1ブランドの立ち上げを念頭に置く。既存のスキンケア、ヘアケアブランドに加え、ライフスタイル、食品領域でもテストマーケティングを行う。新規ブランドを創出しつつ、既存ブランドの海外展開を加速させて成長を目指す。

 中国では、複数のECプラットフォームで越境ECを行う。今後は各国の状況に応じて利益最大化に向けた戦略を見極め、現地法人の設立、代理店経由、越境ECなど戦略構築と見直しを柔軟に行う。展開国、国別の戦略は「精査中」(同社)としている。店舗ルートの活用や、各国で販売網を持つ企業のM&Aも検討する。

1113134029_6915613d961f2.jpg 今年10月には、主力スキンケア「yunth(ユンス)」のブランドアンバサダーに、BTSのVさんを採用した。11月13日から国内でテレビCMの放映を始めている(=画像)。

 Vさんは、グローバルで活躍し、インスタグラムでは、「全世界で最も影響力のあるインフルエンサートップ1000」5位に選ばれている(インフルエンサー分析会社調べ)。欧米でも支持が高い。除隊後に日本の広告に出演するのは初めて。スキンケアブランドとして同社が初めて単独契約を結ぶ。音楽だけでなくファッションアイコンとしても影響力を持ち、「私だけの美しさが花ひらく」というブランドコンセプトを体現する存在として採用を決めた。

 採用後、各SNSで海外からも反響を得ており、ブランドの認知もすでに拡散していると評価する。好意的な反応が中心でインバウンドなど国内需要にも好影響が出ている。

 Aiロボティクスの25年3月期の売上高は、前年比101%増の約142億円、営業利益は同97%増の約25億円と急成長する。開封後30秒の使用期限を推奨する生ビタミンC(アスコビン酸)を独自処方で個包装した導入美容液(医薬部外品)が支持を得る。

 26年3月期第1四半期の売上高は同75%増の約45億円、営業利益は同96%減の1800万円。通期の増収増益を見据え先行投資を行う。「ユンス」の定期会員数は約15万人で、前期末から1・6万人、前年同期比で3・7万人と増加した。

 通期売上高は同97%増の280億円、営業利益は同93%増の48億円、純利益は同95%増の33億円を計画する。

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