日本郵政が新中計で「郵便値上げ」、定形郵便やはがきなどで検討

2026年05月20日 15:54

2026年05月20日 15:54

 日本郵政は5月15日、今年度から2028年度までを計画期間とする中期経営計画を発表し、サービスの持続的な提供に向けて郵便物などの各種料金の値上げを検討することを明らかにした。


 まず、25年度までの前中計について、郵便・物流事業においては営業利益が当初予定の950億円を下回り、118億円のマイナスで着地。背景には郵便物の減少に加え、「クロネコゆうパケット」の引受計画変更や点呼業務不備事案により、荷物も想定以下の取扱量となって目標を下回ったことを挙げている。国際物流については当初計画の120億円を上回る138億円となった。

 その上で、新中計では同事業について、郵便物数が減少する中で、持続可能な集配体制を構築するために、拠点の集約などにより業務効率化を実施。人口密度が低い地方部などを軸に、現在の約3200拠点から約2700拠点まで約500拠点の集約を図り、50億円のコスト改善効果を目指す。

 また、郵便物数の減少に合わせた人員縮小を前提としつつ、省力化投資に向けて、AI技術などを活用した業務効率化・標準化、省スペース型パケット区分機、ロボットアームといった先端技術を活用。業務量や地域に応じた柔軟な配達エリアの設定・要員配置、荷物配達の自社執行の拡大(委託費の削減)、テレマティクス・ルーティングシステムの活用、 AIによる配達物数予測の精緻化などにも取り組む。同事業での社員数は現行の約20万4000人から計画最終年となる28年度は1万人減の19万4000人に絞り込む想定。

 さらに、郵便物数について25年度は過去最大だった2001年度の半数以下となる118億通まで減少したことを踏まえ、今後のサービス持続提供に向けた見直しを行う。現行の定型郵便物(50グラム以下110円)や通常はがき(2〜6グラム以内85円)をはじめ、配達頻度(週5日)、ポスト(18万本)、送達日数(4日以内)などについて、ニーズやコストなどを踏まえてその料金や水準を見直すことも盛り込んだ。

 なお、今回の値上げで検討対象となっているのは定形郵便とはがきで、ゆうパックなどの小包については、今後も必要に応じて法人向け交渉の中で適正な運賃価格設定・利益額の確保に努める方針に変わりはないとしている。

 一方で今後は総合物流企業への転換を目指していき、「ゆうパック・ゆうパケット」の収益拡大も掲げている。具体的には送達日数などのサービスレベル改善、郵便局における差出条件(時刻、場所など)の緩和、日本向け越境ECに対応した商品の開発、通知機能の到達率改善などによる受取利便性の向上、 他企業との連携強化、郵便局アプリの改善、デジタルアドレスの利用拡大などに取り組んでいく。25年度に6400億円だった荷物収益について、28年には7400億円まで引き上げる考え。

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