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注目サイト・老舗シャツの柳田織物 「独自コンテンツ充実で集客」

2012年 6月21日 11:16

5kata.JPG ワイシャツなど紳士服の企画製造・販売などを手がける柳田織物は、独自のコンテンツ展開や顧客へのアプローチ活動を充実させることでネット販売事業の売り上げを好調に伸ばしている。

 同社は老舗のワイシャツ専業メーカーで、BtoBでの卸売りを長年行っている。自社通販サイト「ozie(オジエ)」(画像)を2002年9月に立ち上げ、本格的にBtoC販売を開始。その後、楽天市場やヤフー、アマゾンなど仮想モールにも出店していった。

 担当の柳田敏正専務は「卸の場合、独自性のある商品であっても値段からまず聞かれることが多い。このままでは将来厳しい状況になると考えていた」と説明。柳田専務自身がアパレルブランドのバーニーズジャパンに在籍していたこともあり、得意の接客経験を活かせるB〓Cでの展開を考え、リアルよりも経費を抑えられるネット販売に注目したという。

 同社の11年12月期のネット販売売上高は、クールビズ需要の後押しなどもあり前期比26%増の1億7000万円。売り上げ比率は自社通販サイトが6割、仮想モールが4割程度。各店で送料無料ゾーンは異なるものの商品価格は同じ。同社は「ネットの世界では価格を変えているところも多いのかもしれないが、うちでは鉄則として"一物二価"はやらない」(柳田専務)と断言する。

 基本的に割引販売なども行わず、モール全体でのセール企画でもポイント10倍など商品価格をいじらない手法で参加している。それでも、今春の「楽天スーパーセール」では日商ギネスを記録するほど好評だったという。

 通販サイトで取り扱っている商品はメンズが9割で約1000点以上。12、1月の閑散期は半数程度になる。最近はネクタイ、チーフなど小物類の販売も増えており、今年はニットタイが好調だった。レディースについては、選任スタッフを配置し今年秋を目処に商品開発を積極的に行う考え。

 自社通販サイトの集客ツールとして鍵を握るのが「シャツの知識」ページ。身体のサイズの測り方、選び方のポイント、場面ごとの着こなしルール、ネクタイの結び方など様々な項目で写真付の解説ページを用意。ショッピングページよりも流入者数が多いという。「当社の通販サイトだけ見て買うという一見さんは少ない。必ず他社サイトも回って比較しているので、しっかりした情報とコンテンツで圧倒しなくていけない」(同)とする。

 また、同社では毎週新作のシャツを発売しているため、メルマガでの商品情報発信を通じて顧客と毎週接点をつくることができる。定期的に送り続けることで忘れられず、顧客の不定期な購買タイミングにも販促がかけられる効果があるという。同サイトのメルマガからの流入による売り上げは、自然検索に次ぐ割合を占めている。

 今後の目標はリアルへの出店。来年を目処に開設する予定で、当面はアンテナショップとしての機能を持たせ、通販サイトと両面で認知拡大を図っていく考え。
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