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愛しとーと 食品や水、事業多角化へ 事業拡大へ投資を積極化

2014年10月16日 14:47

031.jpg 愛しとーと(旧・HRK)は、食品通販への参入や農業法人の立ち上げなど事業の多角化を進める。前期(2014年9月期)売上高は、約85億円となる見通し。前期を初年度とする3カ年を次の成長に向けた準備期間と位置づけ、積極的な投資を行っている。これにより今期150億円の売り上げを目指す。10月10日、福岡市内で行われた記者会見で明らかにした。

 前期は、主力のコラーゲンゼリー「うるおい宣言」の販売数が3億本を突破。愛用者数は200万人を超えた。

 利益は公表していないが、今年は物流やコールセンター機能を持つ唐津支店の立ち上げや、支店に併設するバイキングレストランの開業により、例年に比べ利益が圧迫されたもよう。今期は、既存の通販事業で150億円の売り上げをめざし、経常利益率は10%を見込む。事業拡大の布石となる新規事業も複数立ち上げる。

 すでに今年8月には、九州産大豆を使った豆腐などを製造する五ヶ山豆腐(佐賀県神埼郡)の事業を継承。本社に併設していた物流拠点を食品製造工場に改築する。

 豆腐や豆乳、コラーゲン入りパン、雑穀せんべいなどを自社で製造。また、来年1月から福岡県と佐賀県境に位置する脊振山系の水の販売事業も開始するため、年内にも佐賀県内で生産体制を整える。これまで雑穀米や雑穀せんべいなど一部で行ってきた食品通販事業を本格化する。

 主力事業の健康食品も、食品の新たな機能性表示制度を見据え、唐津支店にある製造工場を稼働。年内にも同工場で製造する新商品を発売するほか、健康食品GMPの取得を目指す。

 今期中に農業法人も立ち上げ一次産業に進出。食品通販を視野に野菜を生産するほか、健食の原料生産も行うという。生産から食品加工、販売まで一貫して手掛ける六次産業化で顧客の"安心・安全"のニーズに応える。

 一方で、海外進出も積極化させていく。11月上旬に台湾支店を開設するほか、東南アジアを中心に協力会社を通じた展開も開始。来年1月以降、ベトナム、マレーシア、シンガポールにおける展開を始める。ベトナムでは3月にテレビCMを行うほか、マレーシア、シンガポールもウェブとテレビCMで展開を始める。今期中にタイ、インドネシアでの事業展開も視野に入れる。

 新たに立ち上げる事業の初年度の売り上げは、それぞれ1億円前後を見込んでいる。今期の売り上げ計画に含まれず、150億円は既存の通販事業で稼ぎ出す。

 愛しとーとではここ数年、健食や化粧品の商品ラインアップを強化しているほか、今年7月には約7億円をかけて唐津支店を開設するなど積極的な投資を行っている。併設するレストランと併せ、唐津の雇用創出と人口増加に寄与することが目的。レストランは開業3カ月で来店客数が3万5000人を突破しているという。

 現在、唐津支店は100人を雇用。製造工場を含め、今期中に200人の雇用を行う予定。
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