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再春館製薬所、インナーケア訴求強化、健食事業「今期13~15億円」規模へ

2015年12月 3日 16:37

再春館製薬所は11月21日、主力スキンケアの一部をリニューアル発売した。前期(2015年3月期)の売上高は、前年比ほぼ横ばいの約287億円で推移。売上高300億円の大台を目前に控える中、今期は医薬品、化粧品通販それぞれで健康食品の扱いを始めている。化粧品通販では、内外美容を訴求。今期、健食事業の売り上げは「13~15億円となる見通し」(綾部隆一取締役)としており、好調な滑り出しを見せている。

今年10月、都内で行われた基幹ブランド、ドモホルンリンクルの一部商品のリニューアル発表会後の懇親会で綾部取締役が明らかにした。

 化粧品通販売上高は、前期に同0・7%減の258億9700万円で着地。今期の見通しは、「前期は消費増税に伴う駆け込み需要の影響で若干落ちたが、(販売動向が)戻ってきている」としており、順調な見通し。300億円の大台突破に関しては、「ぎりぎりのところ」としており、現段階で確定的な見通しは示さなかった。

 主力商品のリニューアルは、4年ぶり。ドモホルンリンクルは、全8アイテムを展開するが、肌に対して果たす役割により「基本4点」「準備3点」「日中ケア」の3つに商品構成が分かれている。

 今回のリニューアルは、「基本4点」として展開している「保湿液」(120ミリリットル、税込5400円)、「美活肌エキス(薬用美白エキス)」(30ミリリットル、同1万800円)、「クリーム20」(30グラム、同1万4040円)、「保護乳液」(100ミリリットル、同5400円)。

 来年2月には「準備3点」(化粧落しジェル、洗顔石鹸、泡の集中パック)や、紫外線ケアを行う「日中ケア」(光対策素肌ドレスクリーム)のリニューアルも予定している。

 化粧品事業では、肌トラブルの根本要因に立ち向かう"自己回復力の強化"を目的に、11年以降、インナーケア関連の商品の取り扱いも始めるなど、トータルケアによるアプローチを強化している。

 11年には、睡眠の質を高めることを目的にした美容ドリンク「飲むドモホルンリンクル」を発売。当時、初年度に5億円の売り上げを目指すとしていた。

 今年1月には、インドの伝承医学に使われる果実「アムラ」から抽出したエキスなどを配合した健康食品「めぐりの結晶」(120粒入り、税込6480円)も発売。シミやシワの原因となる紫外線やストレスにインナーケアでアプローチする。

 一方、医薬品通販事業でも今年1月からオタネニンジン抽出物などを配合したゼリータイプの健食「長白仙参」(30本、同)の展開を始めた。これまで神経痛やリウマチ、肩痛、関節炎に作用する第2類医薬品「痛散湯」などを展開しており、健食においても加齢とともに衰える筋力をサポートする。

 これら健食でインナーケア訴求の路線を強化している。

主力スキンケアを刷新
自己回復力を強化へ、〝加齢加速タンパク〟を抑制

今年10月、再春館製薬所が行った主力スキンケアのリニューアル発表会には、台湾など海外メディアを含め、400人近い関係者が参加した。基幹ブランド、ドモホルンリンクルの「基本4点」のリニューアルでは、肌トラブルに対する"自己回復力の強化"に向け、新たな研究成果を反映させた。

 着目したのは、老化の「抑制」と「加速」を進める2つのタンパク質の両極性。これを意図的に促進、抑制させることが期待される成分を配合し、両極のタンパク質をコントロールすることで"自己回復力の強化"を目指した。

 また、機能面では、「抗シワ評価」に関する試験を4アイテムすべてで実施。"乾燥による小じわ"に対応した。

 2011年の前回リニューアルでは、ストレスから肌を守り、老化のスピードを緩やかにする「HSP(ヒート・ショック・プロテイン)」に着目。"自己回復タンパク"と呼び、HSPを促進し、紫外線ダメージから肌を保護する「ヤバツイエキス」、コラーゲン生成を促す「チューリップエキス」などを配合していた。

 今回のリニューアルでは、さらに活性酸素にアプローチする新たなHSP、「グアバ葉エキス」を配合するなどした。

 一方、"自己回復タンパク"とは対極的な役割を果たすタンパク質「Angptl2(アンジオポエチン様因子2)」に関する研究成果も今回のリニューアルでは反映させた。

 同タンパク質をコラーゲンの減少に関与するなど老化を加速させるものとして"加齢加速タンパク"と呼び、これを抑制する新規原料として、熊本・不知火地方に民間伝承的に伝わる植物「不知火菊(しらぬいぎく)」由来の成分を配合した。"加齢加速タンパク"に関する熊本大学医学部との共同研究の過程で400以上の原料をスクリーニングする中、ほかの植物を圧倒し、"加齢加速タンパク"の発現量を約80%抑えることを確認したという。



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