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ヤフー 労働環境向上へCCO新設、週休3日制も検討へ

2016年10月13日 17:57

 ヤフーが社員の労働環境向上に注力している。一環として従業員の心と身体の健康増進を推進するための専門ポジションである「チーフ・コンディショニング・オフィサー(CCO)」の新設や、新幹線通勤の導入などを始めた。今後は週休3日制の導入なども検討している模様だ。新制度で従業員のモチベーションを高めて労働生産性の向上や離職率低減を図る狙いだ。

 新設したCCOは同社従業員のコンディションを整えることに中心的な役割を果たすポジションで9月1日付で初代CCOに宮坂社長が就任した。CCOの新設について同社では「アスリートが高いパフォーマンスをあげるために自分のコンディションを整えて、競技に挑むこととまったく一緒。社員に最高のコンディションで労働生産性高く仕事に励んでもらえるサポートをしていきたい」(上級執行役員・本間浩輔コーポレート総括本部長)としており、CCOが主導となって10月から移転して東京・紀尾井町の新オフィス内に設けた社員食堂や従業員に貸与しているスマートフォンを活用して様々な試みを進めていくという。

 具体的には社員の"豊かさ"や"健康"を支援していく試みを行なう。例えば新オフィス内の社員食堂「BASE」やカフェ「CAMP」で栄養バランスを整えた低カロリーメニュー「UNDER655」を含む朝昼晩と3食、健康的な食事を提供するほか、注文メニューやカロリー、栄養素の情報を従業員向けの専用サイトで閲覧できるようにし、希望する従業員には連携する医療法人の医師や管理栄養士を通じ、食事や運動、睡眠の生活指導を行う「健康増進プログラム」を提供する予定だ。

 また、社食を利用する際には通常でも共通ポイント「Tポイント」を食費補助として、業績連動で代金の数十%を付与しているが、従業員に貸与しているスマートフォンから取得できる「歩数」や「歩行距離」、「上った階数」などのデータを活用して運動量が多い従業員に対しては通常よりも多くのTポイント付与を行うことなども検討しているようだ。

 また、10月1日からは新幹線通勤を導入した。通勤時間が2時間以上に従業員を対象に上限15万円まで支給するもの。これにより、静岡や新白河、越後湯沢からの新幹線通勤も可能になるという。「当社では社員が安心安全で豊かに生活し、仕事に取り組んでもらいたい。そのために、給料を上げていくことも重要だが、生活コストを下げるような支援を行うことも会社がすべきことと考えた」(同)とし、物価の安い地方で生活できるようにすることで生活コストを下げる狙い。また、「これからは育児や介護の問題のために、離職せざるを得ない社員も出てくるはず。新幹線通勤ができればそうした社員が辞めずに済むこともあるはず」(同)として導入に踏み切ったようだ。今後、開通すれば「リニアモーターカー通勤」なども検討していくとする。

 さらに現状、週休3日制の導入も検討中のよう。「作業のような単純な仕事はAIや機械学習に任せて、創造性のある人間にしかできない仕事こそ人間がしていくべき。日本で初めてそうした環境で仕事ができるポテンシャルを持った企業だと自負している。時期は明言できないが、そうなったタイミングで(週休3日制導入を)検討していきたい」(川邊健太郎副社長)とする。
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