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青山商事 アプリDL拡大で販促向上、機能性商品で購入単価引き上げ

2019年10月10日 13:45

 紳士服販売を手がけている青山商事では、上半期の通販事業の売り上げが順調に推移している。昨年より実店舗と連携したアプリの告知強化を実施しており、ダウンロード数の拡大から販促精度の向上などにつながっているようだ。

 同社の今上半期(4~9月)の通販事業は好調に推移しており、クールビズの定着化が続く中、オフィスのカジュアル化が追い風となった。売れ筋は3ピースのスーツやレディースで、レディーススーツは若年層だけでなく、40代以降にも浸透している。また、「ビームスデザイン」が企画監修した商品などもヒット。「今の市場の波として、若い人に対して、仕事着ではあまりないカジュアルなデザインを打ち出すことができて売れ出している」(星川敦EC事業部長)としており、実店舗ではサイズ展開が限られる商品を軸にECで購入するファンの需要を開拓することができた。

 また、機能性から売り上げを伸ばした商品では綿100%でシワになりにくいワイシャツの「NON IRONMAX(ノンアイロンマックス)」がある。これについては商品価格を1000円程度値下げして、3900円や4900円などで展開したことで、これまで1900円の売れ筋ワイシャツを購入していた層がシフトしてきており、リピート需要も獲得。カラーバリエーションの豊富なECでの購入が伸びた。

実店舗接客でアプリを案内

 販促手段として最も客数アップに貢献したのは公式アプリのダウンロード数の拡大だ。背景には昨年10月頃より、実店舗も含めた営業的な施策としてアプリ会員の開拓を強化したことがあり、実店舗での商品販売後に顧客に対してアプリのダウンロードを案内することを接客内容に盛り込んでいったという。

 新聞広告やDMなどを通じて提供していたクーポンや新商品情報を、アプリで受け取れるメリットを強調。元々、ダウンロード数自体は伸びてはいたものの、今年に入ってからはさらに急伸して、前年比150~200%の間で推移するようになり、結果的にはクレジット提携機能を持ったアプリを除いた公式アプリの会員数では合計527万人となり、前年の8月と比べて約150万人増加。アプリから通販サイトへの流入も容易なことから、ECでの購買母数を大きく押し上げることとなった。

 アプリ利用者は購入機能だけでなく、過去の購買履歴からの自身のサイズ確認やスタンプを集めて実店舗でのクーポン利用など様々な機能を活用している。「一度、購入した顧客は特にダウンロードする確率が高い。このワイシャツがいいと思ったとき、『ECでは色違いもあるのか』となって購入するので、客数アップになっている」(同)とした。

 
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