配送の顧客満足度を高めよ
楽天が日本郵便と連携し、都内の郵便局などに仮想モール「楽天市場」で購入した商品受け取り用のロッカーを設けるほか、楽天独自でも全国にこうしたロッカーを設けることが分かった。近年は注文当日の配送サービスが広がるなど、商品を届けるまでのスピード競争が加熱していたが、通販事業者は「受け取り」に関する多様なニーズを取り込むための工夫が求められそうだ。
日本郵便が都内の郵便局など約30カ所に設置を予定している「ゆうパック」用ロッカーを楽天が活用し、サービスを開始する。楽天市場の利用者は、商品を購入した際に、配送方法として希望するロッカーを選択できる。また、楽天でも独自に宅配ロッカー「楽天BOX」を設置する。ターミナル駅などを中心に、全国で50カ所程度に設ける予定。こうしたロッカーを利用することで、利用者は注文した商品を通勤や通学の途中で受け取ることができる。
楽天では昨年、大阪府などで宅配ロッカーの実験運用を実施。同社の三木谷浩史社長は「大変好評だった」とする。最近は注文から配達までのリードタイムが短縮しているが、一人暮らしの人など、宅配では受け取れる時間が限られているユーザーは多い。そういった意味では、ユーザーの受け取りに関する要望にきめ細かく対応していくことは他社との差別化につながるといえよう。
コンビニエンスストアで商品が受け取とれるサービスも普及しているが、「顔が分かる状況で住所や名前などを他人に見られたくない」という若い女性は多いようだ。楽天では、ターミナル駅などでの商品受け取りに一定以上のニーズがあるとみて、宅配ロッカーの全国展開を決めたものとみられる。
また、有店舗企業の間では、店頭受取りサービスの活用が広がっている。セブン&アイ・ホールディングスでは、「セブンネットショッピング」購入書籍を対象にした「セブン―イレブン」店頭受け取りキャンペーンを実施し、新規顧客の獲得効果などで期間中の書籍受注件数が前年の約2倍となるなど成果をあげている。同社では通勤・通学など、顧客に都合の良い店舗でいつでも商品を受け取れるという環境を定着させる狙いだ。さらに、ヨドバシカメラでは店頭での24時間受け取りサービスを一部店舗で行っている。店舗が開いていない時間帯でも商品を受け取れるというもので、ターミナル駅に近い店舗で実施しているだけに、会社員らにとっては使いやすいサービスとなっている。
オムニチャネルが進展する中で、配送も選択肢が多様化している。今後は配送のリードタイムを重視するユーザーだけではなく、「いつでもどこでも受け取りたい」というユーザーも増えてくるはずだ。自社サイトを強化したい通販事業者もこうしたニーズに対応する必要がある。もちろん、宅配ロッカーや、手厚い店舗受け取りサービスをすぐに始めるのは困難だ。とはいえ、配送関連の品質はリピーター獲得に大きく影響するだけに、納期短縮はもちろん、指定日配達の無料化といった施策を進めることで、顧客満足度を高める必要がありそうだ。
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