ドゥクラッセグループ リアル店舗の出店を加速へ、来期に婦人服と靴で120店超
2017年10月26日 13:58
2017年10月26日 13:58

ドゥクラッセの店舗事業は強化品番への販売集中施策や、店舗タイプ別の収益構造分析などを進めたことで、前期までに"儲かる収益構造"の土壌ができ始めたという。
同社では、「購買客数は消費者から支持されている数」(岡田峰昌COO)とし、店舗の購買客数を増やすことに重点を置いている。
各店舗に商品配分量の一定の権限を与えることで売り上げのトップラインを上げるとともに、鮮度の高いうちに商品を提供するためにも期中の値下げを行って在庫減による粗利の改善にもつなげており、前期は商業施設に出店する30店舗のうち13店舗がフロアナンバーワンの売り上げを記録。旗艦店の梅田大丸店は売り上げが前年比19%増、客数が同55%増と好調を維持し、売り上げは全館167ブランドのうち16カ月連続トップを走っているようだ。
ただ、実店舗好調の要因は店舗単体の魅力だけではなく、通販カタログや新聞広告、商品力の向上も売り上げに貢献していることから、今期は"インパクトのある店作り"をキーワードに掲げ、店舗の大型化やMD強化などに取り組む。
同社によると、前期の1店舗当たりの売り上げは約1億6000万円、平均売り場面積は約115平方メートルで、これらは大手セレクトショップやファストファッションブランドと比べると大きな差があるという。そこで、今期は既存店の増床も含めた1店舗当たりの売り上げの底上げと、店舗の大型化に着手。大型店については、9月中旬に横浜市都筑区の郊外型ショッピングセンター「ノースポート・モール」に既存店平均と比べて約2・4倍の広さとなる280平方メートルの売り場を構え、テストを始めている。
同社では店舗事業で今期は前年比62・5%増の65億円、来期は同53・8%増の100億円を目標とする。

一方の婦人靴ブランド「フィットフィット」は店舗事業を軸に展開。前期の売り上げは前年比約29%増の55億円に拡大し、とくに店舗事業は新規出店を進めていることもあって約36%増の40億円と売り上げ構成比で74%を占める。
フィットフィットによると、3万人の女性を対象にした調査では、同社顧客は1年間に婦人靴を(他社ブランドも含め)4・5足購入しており、女性平均の1・6足、主要顧客層である40~60代の平均(1・9足)と比べても大きく上回ることから、靴好きの女性が多いのが特徴だ。また、「フィットフィット」購入者のリピート率が48%強と高いことが成長の原動力になっているようだ。
前期は全国主要都市への出店を開始したほか、多店舗化に対応した組織体制に移行。今期も主要都市への出店を継続するとともに、カテゴリー別主要品番の確立を目指す。また、利益構造の見直しにも着手。「より筋肉質の店舗にし、無駄やムラのない組織にしていく」(石川淳フィットフィットCOO)とする。
フィットフィットの店舗売上高は前期の40億円に対して今期は50億円を計画。来期は店舗単体の売り上げは公表していないが、通販と合わせて76億円を掲げており、店舗は60億円規模と推定される。