〈ビィ・フォアードの越境EC物流〉 安価な国際宅配で成長 200超の国や、大型荷物に対応

2025年07月03日 10:42

2025年07月03日 10:42

 中古自動車の輸出販売事業などを手掛けているビィ・フォアードでは、海外輸送サービス「ポチロジ」において、越境EC物流の開拓を強化しており、国内の法人・個人事業者などを対象に輸送手続きから海外現地配送までの物流をワンストップで提供している。様々な商品値上げなどで国内の消費活動が停滞する中、日本企業が海外販売にシフトする商流は年々拡大しており、その配送需要の獲得が進んでいる。


 同サービスは国際航空輸送やコンテナ混載(海上輸送)などを通じて、世界207の国・地域に国際配送するというもの。消費者から受注されたクライアントの荷物を国内の同社契約倉庫で受領し、検品から発送処理までを行う。輸送手段にはDHLやUPSといった国際クーリエ業者の国際宅配便を活用しており、同社が荷送人の立場となってクライアントの荷物を発送する形となる。

 既存事業の車両や自動車パーツなどの輸出実績で得たスケールメリットを活用することで、安価な価格で海外配送ができることを最大の特徴としており、配送スピードについても航空輸送であれば最短2~7日で届けることが可能だという。

 また、送り状やインボイスの書類作成、検品などについてもすべて同社で代行。重量やコストを抑えるためのアドバイスも行いながら最適な配送メニューを提案しており、海外販売のノウハウや実績を持っていない企業の越境EC参入をサポートしている。「EMS(国際スピード郵便)と同等の金額でありながら、追跡機能や関連書類の作成、検査(海外配送できない禁制品のチェック)なども含めた高いレベルでの民間クーリエサービスが提供できる」(同社)とした。

0703104217_6865dff9a37b0.jpg 対象となる主な商材は食品や飲料、雑貨、家電など様々で、1000キログラムまで対応できることから家具などの大型商品も受け付けている。

 現状、越境EC関連では、配送先として、北米やオセアニアなどの割合が高いとする。日本の伝統工芸品やキッチン商材関連メーカーなどでの利用実績があり、年々、事例が拡大しているようだ。

 そのほか、企業が越境ECを行うメリットの一つでもある「消費税還付(日本の消費税の免税)」について、同サービスでは荷送り人名義が同社となるものの、実際の輸出者である荷主企業が還付を受けることが問題なくできるとしている。

 今後は国内フルフィルメントの強化を進める考えで、倉庫機能や発送機能のメニュー拡充を図り、案件獲得数を伸ばしていく。

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