フェイバニッツが初のポップアップ実施 新宿マルイメンで7日間、新作ニットジャケット展示

2025年10月01日 18:19

2025年10月01日 18:19

 男性向けにニットジャケットを製造販売するフェイバニッツは9月24日から、東京・新宿の商業施設「新宿マルイメン」でポップアップ店を開設した。今年秋冬の新作商品を展示。店頭での販売は行わないが、全サイズを用意し、顧客の試着に対応する。来店者には割引クーポンを付与して通販サイトでの購入につなげる。開設期間は同30日までの7日間限定。同社ではネット販売する商品を顧客が試着できる試着会を都内で毎月行っているが、ポップアップストアの開設は初めて。設置を目指す常設店に向けたデータ収集や顧客ニーズを探る狙い。


1001181842_68dcf1f21a87d.jpg フェイバニッツは信頼できる協力工場での国内生産にこだわり、ミドル世代の体型を分析しつつ、編み上げた高品質ながら生産工程での原料廃棄をゼロにすることで無駄をなくし、4~7万円代と価格を抑えたメンズニットジャケットをネット販売する国内大手のアパレルメーカー、米大手通販企業の日本法人出身の市勢善浩氏が21年に立ち上げたスタートアップ。

 自社通販サイトおよびクラウドファンディングサイト「マクアケ」といったネット販売が主な販路であるため、これまでも本社を構える東京・日暮里などで月に2回程度、顧客が購入前に気になるニットジャケットを試着できる試着会を開催してきたが、アクセスのしやすさなどを考慮して、新宿でポップアップストアを初開催することにしたという。

 アップアップストア「フェイバニッツフィッティングラウンジ@新宿」は「新宿マルイメン」1階の一角に開設。内モンゴル産一級品のカシミヤ100%の原毛を使って日本国内で紡績、新潟県五泉市の協力工場で製造した「カシミヤグラデハニカムニットジャケット」(税込9万5700円)やオーストラリア産メリノ種のエクストラファインラムズウールを使用して国内で紡績、製造した「ラムズウールミックスカラーニットジャケット」(同4万9500円)といった今秋冬発売の新作や展開中のニットジャケットのS、M、L、XLの全サイズを用意。来店者が自身に合致するサイズを試着できるようした。

 主力商品のニットジャケットのほか、新作のカシミヤニットジャケットに合わせて身に着けることができるよう同じ糸を使って製造したマフラー「カシミアグラデチューブマフラー」(同1万8700円)やカシミヤニットジャケットの編地を整えるための手入れ用ブラシ「葛飾山羊毛やわらぎブラシ」(同1万9800円)なども展示、手に取って実際の付け心地や使い心地を確かめることができるという。

1001181913_68dcf21147ce1.jpg ポップアップストアの店頭では商品の販売は行わないが、展示した商品の画像とともに当該商品を販売する自社通販サイトまたは「マクアケ」の商品ページに誘導する二次元コードを掲載した印刷物を来店客に手渡す。同印刷物には自社サイトでの商品購入時に入力することで2000円引きとなる割引クーポンコードを記載、購入を促す。

 初のポップアップストア実施の狙いについては「お客様の商品の現物を確かめたいというニーズを受けて日暮里などで試着会を毎月行っているが、開催日や時間には限りがあった。また遠方から来られる方のアクセスのしやすさも考慮して1週間、午前11時から午後8時まで開店しており、新宿という利便性の高い場所にポップアップストアを開設してみようと考えた」(市勢代表)とした。また、今回の結果や反応などを踏まえて、都内に開設を目指しているという常設のショールームの設置のための判断材料にしたい考えという。

 21年の事業開始からのビジネスの状況については、SNSでの記事投稿や35歳以上の男性でジャケットに興味のある層などに絞って露出する広告の出稿の積極化などで、吟味した素材を使い、着心地やフィット感にこだわった同社のニットジャケットの認知があがり、50代以上の男性を中心とした新規顧客の獲得が順調なことや、購入者へのメールアンケートおよび回答者に2000円分の割引クーポンを配布するなどの施策でリピーターを確実につかんできたことなどが奏功し、売上高は前期(2025年2月)は前年比約25%増で推移。利益も初めて単年度黒字化した前々期に続いて、黒字を確保するなど順調だとしている。今期(2026年2月)も売上高は前年比20%増程度を見込んでいるという。

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