通販サイト構築システム「Shopify（ショッピファイ）」を展開するShopify　Japan（＝ショッピファイ・ジャパン）は9月30日、年次事業者調査の2025年版の結果を発表した。

　調査は、今年6月30日から7月10日まで実施し、グローバルで4765以上の「ショッピファイ」利用事業者から回答を収集、そのうち日本からは125事業者が回答した。今年は事業者のAI活用の実態について調査し、世界中の事業者が今後どのようにAIをビジネスや業務に活用しようとしているのかが明らかになった。

　グローバル全体では、事業者の半数以上（54％）が、今年中に、商品説明、ブログ、SNS投稿などのコンテンツ生成にAIを活用する予定と回答した。約半数（47％）が、商品レコメンドやソーシャル広告などのマーケティング施策にAIを導入すると答えた。その他の活用用途としては、商品画像の強化（39％）、データ分析とインサイト抽出（35％）、カスタマーサービスの改善（31％）、業務プロセスの自動化（31％）と続く。

　日本では92％の事業者が今年中にAIをビジネスへ導入する意向を示した。この割合はアジア太平洋地域でもトップクラスで、オーストラリアおよびニュージーランドの83％を大きく上回っている。

　日本国内でのAI活用予定のトップはコンテンツ生成（51％）で、事業者の半数以上が商品説明やマーケティング用テキストの作成にAIを取り入れる計画と回答した。

　次いでデータ分析・インサイトの取得（39％）、商品画像の強化（32％）、カスタマーサービスの改善（32％）、業務プロセスの自動化（27％）だった。また、日本では37％がAIによる多言語対応を予定しており、これはアジア太平洋地域平均（17％）の2倍以上に達した。

　一方で、マーケティング施策へのAI活用は29％にとどまり、アジア太平洋地域平均の49％を下回る結果となった。同社では、日本市場特有の顧客アプローチスタイルを反映しているものとみている。

　国内事業者の事例では、タレントの小嶋陽菜さんがプロデュースするファッションブランド「Her lip to」では、自然言語による注文データの抽出および分析、「ショッピファイ」機能に関する自動応答、商品ページのローカライズなど、幅広い業務でAIを活用。これにより、業務効率化と越境ECの推進を同時に実現している。

　Ankerでは、画像生成やプラットフォーム開発といった業務におけるAI活用に加え、AIを用いたカスタマーサポートシステム「Anker　AI　Assistant」によって、従来は有人対応が必要だった複雑な問い合わせに対する待ち時間を短縮し、より迅速なサポートを提供することが可能になったという。