アマゾンが動画広告の展開を強化、日本でも提供開始へ 生成ツールで広告制作支援も

2025年12月19日 12:55

2025年12月19日 12:55

 アマゾンジャパンは運営する通販サイト上に掲載する動画広告の展開を強化する。商品検索結果画面に表示して広告主の販売する商品を訴求する動画広告商品「スポンサープロダクト動画広告」の展開を開始する。ユーザーが入力した検索キーワードなどをもとに関連性の高い広告主の動画広告を表示し、アマゾン内の販売ページに誘導するもの。すでに米アマゾンではスタートしており、日本でも2026年中に提供を開始する。12月10日からはAI(人工知能)が商品の販売ページにある情報をもとに5分程度で動画広告を自動作成する動画生成ツールの提供も開始しており、動画広告作成の手間を軽減する取り組みにも注力、静止画ベースの広告よりも訴求力の高い動画広告の出稿を促進し、広告収入のほか、流通額アップにもつなげたい狙いのようだ。


1219154531_6944f48be2aa9.jpg 新たな動画広告はアマゾンの通販サイト内の検索結果ページや商品詳細ページなどに表示する出品者向けのクリック課金型広告「スポンサー広告」の1つとして展開するもの。展開中の個別の商品を訴求する「スポンサープロダクト広告」は静止画を使った広告だが、「スポンサープロダクト動画広告」は動画を用いて商品の特徴を訴求できる。動画は最大3本まで表示可能で7秒以上のものであれば尺に上限は設けていない。すでに当該動画広告を展開中の米アマゾンでは従来の静止画ベースのスポンサー広告と比べて、クリック率は15%増、実購買率は21%増となるなど成果が出ているという。


 AIによる動画生成ツールはアマゾンの通販サイトで商品を販売する出品者向けの広告制作機能で管理画面に設置した「生成」というボタンをクリックすることで、当該事業者が指定した商品の販売ページ内にある画像やや動画、商品情報をAIが抽出、当該商品の使用シーンなど6パターンの数十秒尺の動画広告を3〜5分程度で自動作成するもの。生成された動画に表示する見出しやコピーの文言やファント、カラーの修正やブランドロゴの追加、尺の調整や場面の入れ替え・削除など同ルーツ上で簡単に広告主側で修正できる。生成された動画が気に入らない場合は再度、ボタンをクリックすることで別の動画広告をAIが何度も作成するという。制作した動画広告はすぐに出稿できる。なお、当該ツールは広告主に無償で提供するが、生成した動画広告素材はアマゾンの広告でのみの使用に制限する。日本では12月10日提供を開始したが米アマゾンでは2025年からすでにスタートしており、同ツールを利用する広告主数は第3四半期(7〜9月)で直前四半期比4倍まで拡大しているという。日本でもAIでの動画生成ツールの提供で動画制作における広告主の負担を軽減して広告出稿増に寄与させたい狙い。現状、同ツールで作成した動画はスポンサー広告の1つでブランド認知などを目的とした広告「スポンサーブランド」で使用できるが、提供が始まり次第、「スポンサープロダクト動画広告」でも使用できるようになるようだ。


 なお、アマゾンでは「スポンサープロダクト動画広告」のほか、広告主などが展開するブランド名をアマゾンの通販サイト内の商品検索でユーザーが検索した際、検索結果画面の上部の広告枠を定額で確保できる「スポンサーブランド広告 リザーブ・シェア・オブ・ボイス」や広告主が販売する複数の関連商品をカルーセル形式で表示できる「スポンサーブランド広告 コレクション」、AIが商品やブランドに関する機能や使い方、メリットなど顧客の質問についての回答を自動的に生成、表示する機能「スポンサープロダクト広告 スポンサーブランド広告 プロンプト」など新たな広告商品も2026年中に日本でも提供を開始する予定としている。

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