アンファーの若年層ヘアケアが好調、価値訴求で売上高は60%増に

2025年10月09日 10:02

2025年10月09日 10:02

 アンファーが販売する若年層向けヘアケアアイテムが好調だ。スタイリングのしやすさを訴求したことで、これまでの悩み訴求では接点のなかった新規顧客の獲得につながっているという。刷新後の4~6月における売上高は前年同期比60%増と伸長、定期購入の売り上げは2倍で推移した。今後は若年層向けビューティブランドとしての品ぞろえを拡充し、ブランドの確立を目指す。


1009100146_68e7097a68e94.jpg 好調な商品は「スカルプD ネクストプラス」で、シャンプーとコンディショナーを展開する。髪の立ち上がりやすさや清潔感、キープ力を重視した処方を採用した。皮脂汚れを落とす従来の機能性に加えてスタイリングしやすい髪に導くという。トレンド感のあるヘアスタイルを作りたい若年層のニーズに応えている。

 今年3月の発売後の売り上げの立ち上がりは好調で、20代男性の売上構成比は2倍に伸長。ユーザーのレビューの9割を満足度の高いコメントで占める。「シャンプー1回で髪の立ち上がりの良さを実感できることが奏功した」(同社)という。地肌に直接使用できるコンディショナーの売れ行きも順調で、シャンプーとの併用に加えて単品購入もみられた。

 今期、「スカルプDネクストプラス」を拡大する方針を掲げ、20代の開拓に注力する。薄毛や抜け毛の悩みを含む頭皮ケア市場は美容医療の広がりなどで競争環境が変化していた。主力のヘアケアブランド「スカルプD」の市場シェアは大きくブランド認知を得ているものの、メンズシャンプーの売り上げは横ばいで推移していた。

 若年層の開拓を巡っては、これまで「スカルプD NEXT」を提案し、「髪を、鍛える」をコピーに、髪のボリューム感や悩みの予防に訴求。ただ、潜在的に薄毛や抜け毛の悩みを抱える層は限定的で、20代の比率は約3割と伸ばし切れていなかったという。

 「スカルプD ネクストプラス」では、これまでの悩み訴求から価値訴求に変え、「スカルプD」より低価格で販売。髪を立ち上げる機能性を「スタイリングのしやすさ」と表現した。

 ヘアサロンと連携して商品開発や販促を展開している。タイアップでのプロモーションを実施し、ヘアサロンでの使用シーンを通じた訴求やスタイリング提案も行う。インフルエンサーへの商品提供を行いSNSでの露出拡大を図り、若年層との接点を拡大した。

 価値訴求への転換は社内で議論を重ねたという。「スカルプD」がヘアケアブランドとして信頼を得ていることが強みとなると分析。「SNSで投稿された内容や広告表現と、ユーザーの効果実感のギャップが少なかった。ニーズと機能性が合致し、定期への引き上げは予想を上回った」(同)とした。

 「スカルプD ネクストプラス」のヒットを受けて、今後ビューティブランドとしての提案を目指していく。ブランドコンセプト「自分をデザインする。」を掲げ、美容カテゴリーの品ぞろえを拡充する。9月から美容家電の電気バリブラシ「スタイルエレブラシ」を展開し、今後も品ぞろえを拡充する。美容インフルエンサーや美容家を通じた露出を増やし、新たなブランドの確立につなげたい考えだ。

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