カインズが大都の全株式取得へ、リアルとデジタルの融合図る

2025年10月30日 13:54

2025年10月30日 13:54

 ホームセンター大手のカインズは10月21日、資本提携関係にある大都の全株式取得に向けて、基本合意を締結した。株式譲渡は12月下旬となる見込み。買収金額は「非公表」(カインズ)としている。


 両社は2016年に業務提携し、翌17年にはカインズが大都の株式の10%強を保有して資本業務提携を締結し、それ以来は共同仕入れや共同販売、共同ワークショップの開催、大都によるカインズのDIY売り場の初プロデュース、プライベートブランド商品の共同開発など様々な内容に取り組んできた。一方、市場においては、建築などに携わる職人やプロ人材の人手不足が深刻化。業務効率化が求められている中で、プロの必要な道具や材料を早く、確実に手に入れたいというニーズへの対応に向けて、大都をカインズグループに迎え入れることになったとした。

 今後は、カインズが持つ250以上の店舗網と、大都が運営するプロ特化型ECの「トラノテ」が扱う400万点以上のアイテム、両社のサプライヤーネットワークを活用。それぞれの強みであるリアルとデジタルを融合させたサービスで職人・プロ人材のニーズに応え、プロ市場におけるビジネスモデルを確立していく考え。今後、両社間での協議を重ね、最終契約の締結を目指していく。

 カインズの傘下入り大都はDIYツールを販売する通販サイト「DIY FACTORY」を2002年から運営。創業は1937年でもともとは工具卸業だったが、2011年に3代目社長となった山田岳人氏によりECへと進出して以降、順調に売り上げを拡大。一昨年7月には楽天グループのコーポレートベンチャーキャピタルである楽天キャピタルの出資を受けており、近い将来の上場を視野に入れていたようだが、今回、カインズのグループに入ることを決断したようだ。

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