アスクルは10月19日、サイバー攻撃を受けて身代金要求型ウイルス「ランサムウェア」に感染、物流システムに障害が発生したことで受注・出荷業務を停止した。自社や外部のエンジニアなど100人体制で障害範囲など調査、復旧に向けて全力をあげているが発生から10日あまりが経った現在でも再開のめどは立っていない。日本国内において通販専業社がランサムウェアによってここまで大きな被害を受けたのは初めて。今後、超大手の企業のみならず、通販事業者においても悪意の第三者に狙われる可能性がありそうだ。通販事業者が採るべきランサムウェア対策とは――。
〈通販新聞11月13日付 第2013号(2025年10月30日発行)1面〉
                
                                    
                     「当面、復旧は難しいかもしれない」――。10月19日午前、アスクルは外部からの不正アクセスによる〝異常〟を検知したことを受け、ランサムウェア感染の疑いのあるシステムの切り離しとネットワーク遮断を実施。同日の午後4時半には運営する事業者向け通販サービス「ASKUL」「ソロエルアリーナ」および個人向けの日用品通販サイト「LOHACO(ロハコ)」の受注を停止した。ランサムウェアの感染で主に物流システム(WMS)の障害が発生したことでWMSでコントロールしている同社の物流拠点への商品の入出荷業務が停止。自社通販の受注・出荷ができないことに加えて、物流子会社のASKUL
 
LOGIST(アスクルロジスト)が外部の企業から受託している同社物流拠点で商品を預かり、受注に応じて出荷する物流代行サービスを利用する良品計画、ロフト、そごう・西武、ネスレ日本らの商品の出荷も停止しており、障害発生以降、各社の通販サイトも販売をストップ(※10月28日からそごう西武は通販サイト「e.デパート」で化粧品については販売を再開させている)している。
 「当面、復旧は難しいかもしれない」――。10月19日午前、アスクルは外部からの不正アクセスによる〝異常〟を検知したことを受け、ランサムウェア感染の疑いのあるシステムの切り離しとネットワーク遮断を実施。同日の午後4時半には運営する事業者向け通販サービス「ASKUL」「ソロエルアリーナ」および個人向けの日用品通販サイト「LOHACO(ロハコ)」の受注を停止した。ランサムウェアの感染で主に物流システム(WMS)の障害が発生したことでWMSでコントロールしている同社の物流拠点への商品の入出荷業務が停止。自社通販の受注・出荷ができないことに加えて、物流子会社のASKUL
 
LOGIST(アスクルロジスト)が外部の企業から受託している同社物流拠点で商品を預かり、受注に応じて出荷する物流代行サービスを利用する良品計画、ロフト、そごう・西武、ネスレ日本らの商品の出荷も停止しており、障害発生以降、各社の通販サイトも販売をストップ(※10月28日からそごう西武は通販サイト「e.デパート」で化粧品については販売を再開させている)している。
 アスクルはサイバー攻撃を受けて、10月19日の午後2時に設置した同社の吉岡晃社長を本部長とする対策本部に事業継続部会およびIT復旧部会を設け、社内エンジニア60~70人に加えて、グループのLINEヤフーやセキュリティ企業のエンジニアなど外部の専門機関とも連携して合計100人規模の調査チームを組成し、システムの詳細なログ解析と原因・障害対象範囲の特定や影響の詳細を現在、調査中。同社によれば当該調査で障害の影響を正確に把握したのち、復旧に向けた計画を速やかに策定し実行していくとする。
 具体的な復旧時期については現時点では明らかにしていないが、よく原因が分からないままに急いで復旧しても再感染になりかねない恐れもあることなどもあり、業界関係筋の中では「そう簡単ではない。年内は難しいのではないか」との声も出ている。
1日10億超の機会損失発生か
                             
                                                                                                                                
アスクルは10月19日、サイバー攻撃を受けて身代金要求型ウイルス「ランサムウェア」に感染、物流システムに障害が発生したことで受注・出荷業務を停止した。自社や外部のエンジニアなど100人体制で障害範囲など調査、復旧に向けて全力をあげているが発生から10日あまりが経った現在でも再開のめどは立っていない。日本国内において通販専業社がランサムウェアによってここまで大きな被害を受けたのは初めて。今後、超大手の企業のみならず、通販事業者においても悪意の第三者に狙われる可能性がありそうだ。通販事業者が採るべきランサムウェア対策とは――。
〈通販新聞11月13日付 第2013号(2025年10月30日発行)1面〉
アスクルはサイバー攻撃を受けて、10月19日の午後2時に設置した同社の吉岡晃社長を本部長とする対策本部に事業継続部会およびIT復旧部会を設け、社内エンジニア60~70人に加えて、グループのLINEヤフーやセキュリティ企業のエンジニアなど外部の専門機関とも連携して合計100人規模の調査チームを組成し、システムの詳細なログ解析と原因・障害対象範囲の特定や影響の詳細を現在、調査中。同社によれば当該調査で障害の影響を正確に把握したのち、復旧に向けた計画を速やかに策定し実行していくとする。
具体的な復旧時期については現時点では明らかにしていないが、よく原因が分からないままに急いで復旧しても再感染になりかねない恐れもあることなどもあり、業界関係筋の中では「そう簡単ではない。年内は難しいのではないか」との声も出ている。
1日10億超の機会損失発生か