ウェルネスダイニングのフレイル予防の宅配食が好調、新規顧客との接点拡大

2025年11月13日 11:51

2025年11月13日 11:51

 ウェルネスダイニングが展開する健康宅配食が好調だ。生活習慣病の人や嚥下機能が低下した人に向けた宅配食をラインアップし、在籍する管理栄養士が商品監修を行うほか、コールセンターでの栄養相談も手掛ている。これを強みに売り上げを拡大し、2025年3月期の売上高は前期比14.3%増の18億7000万円と伸長した。今後、フレイル予防を目的とした商品提案を行い、新規顧客層との接点を拡大していく。今期の売上高は26%増の23億6000万円を見込む。


1113115041_69154781a350c.jpg 展開する制限食の宅配「ウェルネスダイニング」では生活習慣病の人に向けてたんぱく質や塩分、糖質、カロリーに細かく対応した「気配り宅配食」と、嚥下機能が低下した高齢者に向けて3段階のやわらかさを用意した「やわらか宅配食」を提供する。

 「気配り宅配食」のメニュー数は90種で、飽きずに続けることができるようラインアップした。特定検診の検査の項目を網羅できるようコースを設定し、栄養の偏りが気になる人や、糖尿病・血糖値が気になる人などに向けて最適な食事を選択できるようにした。

 2011年に創業し、累計2700万食を販売する。ウェブ広告を中心に新規顧客の開拓をすすめる。高齢の両親に家族が代理購入するケースも多く、定期顧客数は1万人に拡大している。中心顧客層は「気配り宅配食」が50~60代で、「やわらか宅配食」が70~80代となる。

 管理栄養士の採用は新卒を対象に実施。管理栄養士が栄養相談を行い、顧客は無料で利用できる。注文の有無や年齢、疾患を限定せずに対応し、年間1万件の相談を受けている。「コーヒーに牛乳と砂糖を入れていいか」「運動して食事を抑えているが痩せない」など、普段の食事に関する些細な質問にも対応。「1時間を超える電話もある。顧客満足度向上につながっている」(同社)とした。

 今期は予防領域の商品提案をすすめる。今年5月に、たんぱく質やカルシウムなどを強化した「健康サポート宅配食」を発売。体重減少や筋力低下などのフレイル予防や、骨粗しょう症の悩みを持つ人向けに提案する。

 同社によるとフレイルの認知は限定的で、後期高齢者向けのフレイル検診の追加に伴い認知が向上しつつあるという。「50~60代は血糖値対策で食事を抑える指導が行われる。60~70代はしっかり摂取するよう指導され、ギャップがある。食事の大切さの説明をしながらフレイル予防の提案につなげたい」(同)とした。

 立ち上がりは好調で、売り上げは当初目標の倍で推移している。家族や子どもの代理購入が多く、60~70代の利用が中心となる。予防領域の展開を通じ、治療前や治療中、治療後で異なる食事のニーズに対応し、顧客の利便性向上につなげる考え。

 今後は来年5月にエーザイのエビデンスをもとにした宅配食の販売を開始する。認知機能の低下や認知症のリスク低減を目指した啓発活動や、公衆栄養の向上を目指した連携の一環で商品化を目指していく。

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