DMSのDMの効果測定システム カゴ落ちも特定、反応を可視化

2025年11月13日 13:16

2025年11月13日 13:16

 メーリングサービスなどを手掛けているディーエムエス(=DMS)では、発送後のダイレクトメール(DM)について二次元コードを通じて一元管理することができるシステム「CURENESS(キュアネス)」を提供している。DMの効果測定を明確に行うことができ、その後の販促計画も個別に設計できる仕組みとして、通販企業などへの拡販を図っている。


 同システムは製造するダイレクトメールに1通ごとに管理コードを付けることで、受け取った顧客の反応が可視化され、反応率の測定や、顧客ごとの個別の打ち手を計画的に行えるというもの。

 具体的には、クライアント企業の持つ顧客データベースとつけ合わせて、顧客ごとのDMに個別のパーソナル二次元コードを印字して送付。DMを見た受取手が二次元コードからウェブサイトなどに遷移した動きを追い、日別のアクセス数や、性別・年代といった属性別の集計、反応者の地域ヒートマップなどがグラフで分かりやすく表示されるという。

 さらに、オプトアウト(配送停止)や不着情報管理といった「ネガティブ反応」まで統合的に管理できることから、送手側にとっては、不要となる宛先を見直して無駄な配送コストを削減でき、費用対効果を最大化することができる。受取手にとっても印字された管理コードを専用サイトに入力するだけで簡単に配送停止できるため、不要な情報を送られるストレスが解消されるという。

 「DM=一方的な情報提供というイメージを脱却し、DMを〝迷惑〟なものから〝便利で必要とされるツール〟へと進化させるためのシステム。顧客と誠実につながる体験を提供することで、DMのイメージアップと業界全体の信頼獲得に寄与していく」(同社)と説明。必要な情報を、求めている顧客に対して確実に届けられる仕組みになるとした。

 すでに導入しているところでは、三菱UFJ銀行の事例があり、自社の口座リストを広告メディアとして展開する中で、出稿企業向けの広告反応率の分析サービスとしてオプションで採用。反応率が可視化されることで、次回施策の検討に活用することができ、広告メディア事業の活性化に貢献していく。

 また、大手航空会社では、自社の電子決済サービスの利用状況を確認する際のアンケートDM他で採用。最新住所ではなくなった顧客の洗い出しができたほか、アンケートサイトには遷移したものの回答してくれなかった顧客が誰であるかを把握し、そこに向けて、適切なフォローアップを実施するという。

1113131731_69155bdb5f7cb.jpg 後者の事例に関しては、通販企業も応用しやすいケースであり、例えばDMの二次元コードから販売ページやLPには遷移したが、購入にまでは至らなかったり、カゴ落ち状態となった顧客の情報を把握して、後押しとなるような次の一手を個別に設計することができる。

 「購入した人だけでなく、途中離脱した見込み客まで特定できるのは大きい。そこに対して個別の再アプローチを行えば購入まで引き上げやすくなる」(同)とした。

 なお、導入に当たっては、クライアント企業側で遷移先のウェブサイトなどに計測用のコードを入れたりするような作業負荷がなく、初期設定は不要。導入先ですでに取り入れている効果測定ツールなども阻害しない形で運用できるとした。

 そのほか、クライアント企業に対しては、同サービスで得た分析結果のレポーティングを基に、優先すべき送り先リストのAIを活用した選別や、再アプローチ用に最適なDM内容の個別のクリエイティブ提案なども、同社のマーケティング部門が中心となってコンサルティングしていく。

 まずは通販を中心としたD2C事業を展開する企業や、自社のファーストパーティーデータをオフライン広告メディアとして展開している企業などへの導入を図っていく。

 今後については、同サービスの活用範囲を紙媒体のDMだけに留めず、電子メールや、次世代メッセージサービスの「RCS」(テキストに加え、写真や動画にも対応したリッチコンテンツ配信)などによる配信後のデータ収集・分析ができるような機能拡張も図る予定。

 デジタルとリアルの紙媒体を掛け合わせたクロスメディアによる販促活動を効果的にサポートする仕組みとして提案していく。

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