ベガコーポレーションの実店舗事業の拡大進む 4店舗新設へ、増収増益に寄与

2025年11月13日 13:24

2025年11月13日 13:24

 家具や日用品などのネット販売を手がけるベガコーポレーションでは、実店舗事業の拡大を進めている。12月には都内の渋谷などにも開設する予定で、2027年春までに4店舗を新設する。実店舗展開の加速による増収増益効果を見込んでおり、今後の重要戦略として位置付けている。


1113132422_69155d768c71c.jpg 同社では今年9月末時点で全国に約10店舗を展開しており、11月には埼玉県三郷市に「ららぽーと新三郷店」(画像)、12月には福岡県糟屋郡に「イオンモール福岡店」、都内渋谷区に「渋谷宮益坂店」、来年春には埼玉県富士見市に「ららぽーと富士見店」をそれぞれ開設する。

 渋谷店に関しては1年9カ月間の期間限定という形になるが、売り場面積は660平方メートル弱で宮益坂下交差点に位置する好立地の店舗として多くの集客を見込んでいる。それ以外の3店舗については大型商業施設での出店となる。

 実店舗を拡大する背景にはECでの市場環境の変化も大きく影響している。同社によると、各大手仮想モールでの出店店舗について、価格競争の激化により、売り上げは立つものの利益確保が難しい商材も一部で出てきているという。加えて、自社通販サイトの「ロウヤ」についても、グーグル検索のアルゴリズムのアップデートに伴い、検査順位が降下。アクセス数が減少することも見られるようになった。「EC独特の他社の変動によって当社の売り上げが大きく増減するという状況をヘッジしたい目的もあって、実店舗に力を入れている面もある」(浮城智和社長)とし、ECでの伸びの鈍化をリアル展開でカバーしていく考え。

 コスト面では、都市部のテナント賃料について近年は上昇が続いているが、現状、出店している商業施設の店舗においては「ケースバイケースにはなるが中心地ほどの家賃上昇はない」(同)とする。実店舗数の拡大に伴って固定費は増大するものの、EC事業でもウェブ広告やウェブマーケティングコスト、ポイント、値引き対策など各種の販促費がかかることから「総合的に考えるともはや(ECは)実店舗のコストとそこまで変わらなくなっている」(浮城社長)とし、機能性やデザイン性などで訴求した商品を自社で企画開発するという同社の戦略上、価格競争に巻き込まれやすいECよりも、リアルの販路の方がマッチしている面があると見ている。

 さらに、今後、数十店舗まで拡大することで、リアルでの取り扱いの中心となっている小型の雑貨類などについては、仕入れでのスケールメリットが生かせるようになり、原価率の低減や販売効率の向上、納期の短縮などにつながると分析。出店拡大によるメリットは様々な効果があるとした。

 なお、実店舗事業では新商品の取り扱いも行っており、直近では「Snoozy(スヌージー)ルームウェア・ブランケット」(3990円~7990円)について、「触って質感を確かめるということがEC上では難しかったが、店頭に置くことで手触りが良くてこの値段であれば買いやすいと好評になっている」(浮城社長)とし、顧客体験の向上になっているもよう。

 今後は店舗事業に関わる人材教育なども力を入れながら、更なる運営の効率化を図る。

カテゴリ一覧