SホールディングスのTikTokの売り上げ好調 「燕チャンネル」社長自ら配信、販売

2025年12月04日 12:50

2025年12月04日 12:50

 アパレルブランド「ABITOKYO(アビトーキョー)」を運営するSホールディングスの、ティックトックショップ(以下、TTS)における売り上げが好調だ。


1204125010_693104f2efac4.jpg 燕咏靖社長自らが公式ショップ「燕チャンネル」で販売を行う。同社はかつてライブコマース運営モール「1899mall」を運営していたが、集客面に課題を感じ、2年ほど前からティックトックでライブコマースを実施。日本にTTSが上陸する前の話だ。当時は直接自社ECに誘導する形式だったという。6月に日本でもTTSがサービスを開始すると同社はいち早く登録。他アパレルブランドに先駆けて注力した背景について、「中国でTTSの流行を目の当たりにし、日本でも同様に成功すると確信した。TTSは外出するのが難しい人も家で簡単に買い物できるというメリットがある。ショップ的にも、一人で何千人と同時に接客販売できるのは効率的だ」(燕社長)とする。

 「燕チャンネル」は毎朝5時から配信を行う。「一般的には午後7時から11時ごろがゴールデンタイムと言われている。日中は経営の仕事が忙しいため、やむなく早朝に配信を始めたが、『燕チャンネル』の反響の大きさを見て、朝に配信を行うブランドも増えてきている」(同)。

 10月に行われたTTSのイベント「ハロウィンウィーク」期間には過去最高の同時接続数1万3700人を記録した。10月最終週の売り上げは約1・5億円(「アビトーキョー」の売り上げだけでなく、他社商品の紹介も含む)。視聴者層は30~50代の女性が中心だが、若年層や高齢者まで幅広い年齢層が視聴しており、家族で視聴しているケースも多いという。

 TTSでの商品紹介について、「お客様が商品の良さをしっかり理解できるような説明と、楽しく買い物ができる雰囲気作りを心がけている」(燕社長)と話す。「服の生地感までしっかり伝わるような見せ方をしている。コーディネートの提案を行ったり、お客様からの質問や悩みに一個ずつ答えていったりすることも重要」(同)。

 また、同社は「地方再生プロジェクト」と称し、地元企業の食品や化粧品などをTTSで発信する取り組みを行っている。8月26日・27日に行われた第3弾企画では三重県の商品を紹介。2日間の合計売上は4000万円超、両日とも販売商品が完売するなどの成果を収めた。「非常に好評なので、今後も継続していく方針」(同)という。

 同社はライブコマーサーの育成事業も手がけている。「TTSで売り上げを上げるには、集客力のある配信者の存在が不可欠。単にフォロワー数が多いインフルエンサーがTTSを行っても必ずしも売れるわけではない。自社のライブコマーサーが育成できていない企業は、影響力を持つ配信者とコラボすることが得策になる」(同)とする。

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