〈邱執行役員に聞く「TikTok Shop」の現状〉 「日本の成長、他国上回る」 知名度高いブランド取り込みへ

2026年02月12日 15:26

2026年02月12日 15:26

 動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」では昨年6月より、アプリ内で商品の販売から購入が可能となるEC機能「ティックトックショップ」の提供を日本で開始した。TokTok Shop Japan執行役員の邱開洲ゼネラルマネージャーに、現状や今後の施策などを聞いた。


0212161728_698d7e88d57ca.jpg ——日本におけるサービスの進捗は。

 「例えば商品数においては、8カ月目の現在で、18カ月目のアメリカの商品数と同程度。昨年サービスを開始したイタリアやフランスは、現在の日本における商品数に到達するまで丸1年かかりそうだ」

 ——とはいえ、様子見しているEC企業も少なくない。

 「通常のECプラットフォームは、商品とユーザーのバランスを取りながら成長させる。しかし、ティックトックショップのビジネスモデルはコンテンツも軸となっている。クリエイター、セラー、ユーザーのバランスを取りながら成長させなければいけない。このバランスが崩れると破たんする可能性がある」

 「いくら他国より成長が早いといっても、現時点ではアマゾンや楽天市場とは規模が全く違う。一部の大手、特にオフラインが大きな売り上げを占めている小売り企業が『出店を急ぐ必要はない』と判断するのは納得できる。また『様子見』といっても、裏では出店を決めており、準備を進めているケースも多いのではないか」

 ——アマゾンや楽天市場に対抗できる流通規模を目指すのか。

 「目指せると思っているが、そこまで競合と考えているわけではない。ティックトックショップはエンターテインメントが中心のプラットフォームであり、Eコマースとの融合でいかにユーザーに提供できるかが重要。コンテンツを支えるためにクリエイターのエコシステムを作る必要があり、自然の結果としてどこまで行けるか。また、これまで仮想モールに出店したことがない企業が出店しているケースがあるので、既存の仮想モールとは属性が違う」

 ——「ティックトックショップはハードルが高い」と考えているEC企業も少なくない。

 「カートシステムなど、第三者との連携を進めていく。また、クリエイターとのマッチングはオフラインでの紹介が中心だが、最終的にはAIに任せることで効率化したい」

 ——今後、どのようなサービスを導入するのか。

 「ポイント制度に関して、現在はユーザー向けにプラットフォーム側が付与しているが、今後はセラーが自分たちでユーザーにポイントを付与できるようにする。CRM機能については、これまでリスクコントロールの観点から、テンプレートを使ったやりとりしかできなかった。今後はセラーから自由にコミュニケーションが取れるようにする。ただ、これは技術的には簡単だが、その前にモニタリングやコンテンツの審査体制を導入しないといけない」

 ——ポイント制度は他国にはないのか。

 「日本だけだ」

 ——この先注力したいテーマは。

 「ユーザーの信頼度を高めるために、日本で知名度が高いブランドを増やしたい。また、ライブ配信経由の売り上げが好調だが、自走可能な体制で拡大させるためのエコシステムを築きたい。特に、リアルタイムでライブ配信がコントロールできる専門家は少ないので、教育体制を作る。さらに、クリエイター向けの啓蒙活動をしていく」

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