寝具やインテリアのECを手がけるエムールは、昨年末に立ち上げた新ブランドの「TATAMU(たたむ)」から、折り畳み型ベッドの「スマートスペースベッド LUXIM(ラクシム)」を発売。早々から当初の想定以上の売れ行きを記録するなど好調に推移している。
同シリーズは名称の通り、〝畳める〟インテリアを体現したブランドで、開発に当たっては、都市部を中心に狭小化が進む近年の住宅事情や、布団の上げ下ろしに負担を感じる高齢者層の拡大など、国内の社会的事情の変化が背景にあった。限られた室内スペースの中をいかに有効活用することができるかという「空間有用性」の高さに加え、「誰でも安全で手軽に使える」という人間工学に基づいた設計を取り入れることが大きなテーマになっている。
ブランドの第1弾商品として発売したLUXIMは、専用マットレスが付属された組み立て不要の折り畳み式ベッドで、奥行き約30センチメートルまで小さく折り畳めることから収納場所を選ばずに省スペースで利用することが可能。背もたれ無段階リクライニングやロック機能付きベアリングキャスターなどを搭載したほか、一般的なベッドの約5倍となる500キログラムの耐荷重設計も備えている。税込価格は11万円で、自社通販サイトのほか各仮想モール店舗で発売している。
一般的に折り畳み式のベッドは、開く際にベッドが勢いよく下に落ちるように展開したり、また、しまう際にも閉じていくベッドの隙間に持ち手を挟んでしまうなど、安全性について深く考慮されていない仕様のものが多かった。また、開閉作業や持ち運びの際に強い力や支えが必要となるなど、高齢者にとっては使いづらく誰でも手軽に扱える設計ではない課題もあった。
LUXIMはそれらの課題すべてに対応したもの。最大の特徴となるのが、ダンパーで開閉時の動きを細かく制御して、勢いを抑えた形でゆっくりと静かに変形できる「安全な変形動作」。加えて、下部に取り付けた高品質のベアリングキャスターにより、30キログラム近い重量でありながらも静かで滑らかな走行性を確保し、軽い力でもスムーズな持ち運びや開閉ができるという。
商品開発に当たってキーマンとなったのは2人の若手社員だった。LUXIMの肝となるスムーズな開閉動作の実現に向けて、その機構設計を担当した研究開発チームの大友香穂里氏は「部品選定と機構設定の組み合わせが無限にあるところがとにかく大変だった。スタートから3年くらいはかかったが、ようやくここに一応の答えを出すことができた」(同)と回想。また、出来上がった試作品をベースに、商品化される最終的な設計図作成を担当した商品企画部の関戸駿介氏は、組み立てメーカーと交渉を重ねる中で、物別れに終わるような危機が何度もあったが「このベッドは多くの人の助けになる商品。安全に使えることで、より価値のある商品となっていく」と説得し、無事商品化にこぎつけることができた。若手社員の活躍もあり、長年の構想が身を結ぶこととなった同シリーズについて高橋幸司社長は「ECの世界では、他社製品を参考に色や形を少し変えただけで商品化するケースも珍しくない。今回、(折り畳み式ベッドの)機構そのものを根本的に見直して一から商品化したことは他社では行っていない領域だと思う」と評した。
ショールームの体験で価値提供
販促に向けては、ブランド専用サイトの運営と、本社を含む都内2カ所で展開するショールーム型店舗での体験接客、SNSでの情報拡散が大きな柱。中でも、購入に強く紐づいているのがショールーム型店舗の存在で、実物を見て触って試したいという声は根強くあり、発売以降、地方からの来店者も見られている。ショールーム型店舗では、マットレスや高座椅子などの従来商品とも合わせて展示しているが、将来的にはTATAMUブランド単独で一つの店舗を開設することも構想。よりブランドの世界観を伝えるような店内レイアウトや見せ方を取り入れて商品体験を提供することを考えている。そのほか、宿泊施設などBtoB向けの販売も計画しており、アプローチできるすそ野を広げる考え。
26年の商品展開としては、1月に第2弾商品となる3つ折りマットレス専用の折りたたみベッド 「FARBLE(ファーブル)」を発売。FARBLEは片面半分だけを折りたたんでL字型に収納する仕様となっており、残った半面の平置き部分に三つ折りマットレスを畳んで置くことが可能。畳んだ際の奥行はLUXIMよりも広くなるが、その分、残ったベッド半面の下部を収納としてそのまま使うことができるため、また違った用途に応える商品となっている。税込価格は4万5000円。
今後、TATAMUシリーズについては、ベッドだけでなく、チェアやデスク、テーブルなどより手ごろな価格帯で扱える商品でも横展開していく。26年中には15アイテム程度まで拡大する考えで、ベンチャー企業などオフィス向けの需要も想定している。
寝具やインテリアのECを手がけるエムールは、昨年末に立ち上げた新ブランドの「TATAMU(たたむ)」から、折り畳み型ベッドの「スマートスペースベッド LUXIM(ラクシム)」を発売。早々から当初の想定以上の売れ行きを記録するなど好調に推移している。
ブランドの第1弾商品として発売したLUXIMは、専用マットレスが付属された組み立て不要の折り畳み式ベッドで、奥行き約30センチメートルまで小さく折り畳めることから収納場所を選ばずに省スペースで利用することが可能。背もたれ無段階リクライニングやロック機能付きベアリングキャスターなどを搭載したほか、一般的なベッドの約5倍となる500キログラムの耐荷重設計も備えている。税込価格は11万円で、自社通販サイトのほか各仮想モール店舗で発売している。
一般的に折り畳み式のベッドは、開く際にベッドが勢いよく下に落ちるように展開したり、また、しまう際にも閉じていくベッドの隙間に持ち手を挟んでしまうなど、安全性について深く考慮されていない仕様のものが多かった。また、開閉作業や持ち運びの際に強い力や支えが必要となるなど、高齢者にとっては使いづらく誰でも手軽に扱える設計ではない課題もあった。
LUXIMはそれらの課題すべてに対応したもの。最大の特徴となるのが、ダンパーで開閉時の動きを細かく制御して、勢いを抑えた形でゆっくりと静かに変形できる「安全な変形動作」。加えて、下部に取り付けた高品質のベアリングキャスターにより、30キログラム近い重量でありながらも静かで滑らかな走行性を確保し、軽い力でもスムーズな持ち運びや開閉ができるという。
商品開発に当たってキーマンとなったのは2人の若手社員だった。LUXIMの肝となるスムーズな開閉動作の実現に向けて、その機構設計を担当した研究開発チームの大友香穂里氏は「部品選定と機構設定の組み合わせが無限にあるところがとにかく大変だった。スタートから3年くらいはかかったが、ようやくここに一応の答えを出すことができた」(同)と回想。また、出来上がった試作品をベースに、商品化される最終的な設計図作成を担当した商品企画部の関戸駿介氏は、組み立てメーカーと交渉を重ねる中で、物別れに終わるような危機が何度もあったが「このベッドは多くの人の助けになる商品。安全に使えることで、より価値のある商品となっていく」と説得し、無事商品化にこぎつけることができた。若手社員の活躍もあり、長年の構想が身を結ぶこととなった同シリーズについて高橋幸司社長は「ECの世界では、他社製品を参考に色や形を少し変えただけで商品化するケースも珍しくない。今回、(折り畳み式ベッドの)機構そのものを根本的に見直して一から商品化したことは他社では行っていない領域だと思う」と評した。
ショールームの体験で価値提供
販促に向けては、ブランド専用サイトの運営と、本社を含む都内2カ所で展開するショールーム型店舗での体験接客、SNSでの情報拡散が大きな柱。中でも、購入に強く紐づいているのがショールーム型店舗の存在で、実物を見て触って試したいという声は根強くあり、発売以降、地方からの来店者も見られている。ショールーム型店舗では、マットレスや高座椅子などの従来商品とも合わせて展示しているが、将来的にはTATAMUブランド単独で一つの店舗を開設することも構想。よりブランドの世界観を伝えるような店内レイアウトや見せ方を取り入れて商品体験を提供することを考えている。そのほか、宿泊施設などBtoB向けの販売も計画しており、アプローチできるすそ野を広げる考え。
26年の商品展開としては、1月に第2弾商品となる3つ折りマットレス専用の折りたたみベッド 「FARBLE(ファーブル)」を発売。FARBLEは片面半分だけを折りたたんでL字型に収納する仕様となっており、残った半面の平置き部分に三つ折りマットレスを畳んで置くことが可能。畳んだ際の奥行はLUXIMよりも広くなるが、その分、残ったベッド半面の下部を収納としてそのまま使うことができるため、また違った用途に応える商品となっている。税込価格は4万5000円。
今後、TATAMUシリーズについては、ベッドだけでなく、チェアやデスク、テーブルなどより手ごろな価格帯で扱える商品でも横展開していく。26年中には15アイテム程度まで拡大する考えで、ベンチャー企業などオフィス向けの需要も想定している。