再春館製薬所がAIコールを採用、早朝・夜間など24時間対応

2026年08月26日 14:32

2026年08月26日 14:32

 再春館製薬所は、AIオペレーターによる自動の注文受付を行う。営業時間外の夜間・早朝の電話受付に対応する。主要顧客のシニア世代は、早朝の電話の潜在的なニーズが高い。これに対応することで、顧客接点が広がる可能性がある。


0826174507_6a8ea793f1817.jpg 夜間・早朝帯の入電数の増加を受け、AIによる自動応答体制を構築した。主力の「ドモホルンリンクル」の注文は全体の約35%が電話による受付。夜間・早朝の入電の割合は、全体の5〜10%と試算している。

 電話受付の通常対応は、9時から21時だった。AIオペレーターは、通常営業時間外の21時〜翌9時まで電話受付を行い、24時間体制で対応する。GROWTH VERSEグループの電話放送局が提供するAI電話自動応答サービス「DHK CANVASエージェントプラン」を採用。8月18日から運用を開始している。

 夜間・早朝帯に「無料お試しセット」のほか、商品注文、問合せの受け付けを行う。商品注文や問合せは、SMSでウェブサイトを送信して受け付ける。「お客様に寄り添う人にしかできない対応と事務的な応対を切り分けることで、待たせず迅速に対応できる環境を目指す」(同社)とする。AI対応で得られた知見をサービス改善にも活かす。

 電話対応をめぐっては、「働き方改革」やコロナ禍を経て、365日・24時間対応する外部委託のコールセンターが大幅に減った。一般的に夜間・早朝帯の勤務を希望する従業員も少なく、委託する通販企業にとってもオペレーションコストがかかる。

 再春館製薬所は、「お客様プリーザー」と呼ぶ顧客対応の従業員の総数約250人のうち、約7割を正社員として雇用する。本社を置く熊本の雇用創出、地域貢献を目的に地元採用が多い。通常営業時間の9〜21時は、ほかの通販企業に比べ対応時間は長くはなく、従業員の生活との両立が課題になっていたとみられる。AIオペレーターの活用が浸透すれば、新規獲得に向けた広告などマーケティングに投資を充実することができる。通常営業時間の顧客対応については、「人員の縮小は考えておらず、人件費、オペレーションコストの削減を目的としたものではない」(同社)としている。

 電話対応による接客、対応品質に強いこだわりを持ち、これを実践する企業としても知られる。同社がAIオペレーターを活用したことは、その品質を高く評価したといえる。テレビ通販の主要顧客であるシニア世代は、とくに4時以降の早朝の電話ニーズが高い。減少する24時間対応のコールセンターに変わるサービスとして、AIコールセンターの浸透が進む可能性がある。再春館製薬所は、「オンラインツールを活用した応対が広がる時代においても、原点である電話応対の価値は変わらない。単なる業務効率化、夜間の自動化ではなく、時間外に用件を預かり、相談やカウンセリングを充実させる」としている。

 グロースバースは昨年7月、電話の自動応答サービスを提供する電話放送局を子会社化した。電話対応の知見が少ないAI企業による買収、業務提携によるコールセンターへのAI活用も増えており、コールセンター業界の再編が進んでいる。

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