富士ソフトが次世代AIコマースに参入 販売から決済、在庫まで一貫支援

2026年08月19日 17:10

2026年08月19日 17:10

 富士ソフトは8月6日、AIが介在してECでの購入や商品選びを代行し、企業の販売活動などをサポートする「エージェンティックコマース」の基盤構築に向けた支援事業への参入を本格展開していくことを明らかにした。


0820133400_6a8683b878f42.jpg EC領域におけるエージェンティックコマースとは、AIが購買者の意図を理解して、商品の探索や比較、選定、購入までを支援し、到達までの負担を軽減するという次世代型のAIコマースのビジネスモデル。企業側はAIエージェントに自社のサービスが選ばれるための情報発信や顧客接点の最適化が重要になり、需要変動や顧客行動の変化への対応、物流管理なども含めた新たな仕組み作りが必要不可欠となる。

 同社によると、先行する米国ではAIから注文・決済などを実行するためのルールであるACPや、商品や在庫情報をAIが理解できる正しく伝えるためのルールであるUCPといった標準規格の整備が進んでおり、一部業態ではすでにエージェンティックコマースが展開されているという。2030年までにはAIエージェンティックコマース経由の購買が米国のEC市場全体の約20%に達するとの予測もあるため、日本でもこの規格への対応に向けてこれらから市場が形成されるための準備段階に入ると見ている。

 実現に向けて通販をはじめ小売り企業に求められる対応がいくつかあり、主なものとしては、まず、商品属性や説明、価格情報などをAIが理解・比較しやすい形で提供することがある。従来までの通販サイトで表に出しているような情報だけでなく、SNSなども含めて自社以外で発信されている評価や情報をまとめて整備する必要があるとしている。また、物流においても在庫や販売状況を即時に反映し、AIによる顧客への提案内容と実在庫のずれを防止するようなリアルタイムでの在庫連携も必須。さらに、AI経由の購買を円滑に処理できる注文・決済・受発注の仕組みも求められている。単一のシステム導入ではなく、顧客接点から業務基盤までを横断した仕組み作りが必要になるとした。

 同社ではすでに、顧客接点から基幹システム、物流までグループ企業やパートナー企業を通じてこれらの全領域を横断して支援できる仕組みを有しているという。直近では決済プラットフォームのStripe(ストライプ)とパートナー連携しており、ストライプが提供する決済・認証・取引接続の機能と、富士ソフトグループの各領域におけるシステム構築を組み合わせることで、AIエージェントの提案から注文・決済・業務処理までを一つの取引フローとして構築。決済・収益化基盤の導入、既存の基幹・CRM・データ基盤との連携、決済データを活用した運用改善までの支援を一貫提供できるとした。

 同日の記者発表会に登壇した室岡光浩代表取締役社長執行役員CEO(画像)は「ECサイトの領域だけでなく、商品の情報・在庫決済、基幹システム、物流も含めたコマース基盤全体の変革につながると感じている」と説明。その上で「AIだけでは商取引は成立しない。実際の店舗運営や商品管理、発注業務、販売業務、そういったものにつながって初めてお客様の価値になる」とした。現状は、日本企業の中でも特に大手小売り企業などからの関心が高まっているとしている。

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