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アスクル 日高市と防災協定、物流拠点の在庫品を提供へ

2018年 1月18日 10:04

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アスクルは1月12日、災害時に埼玉・日高市内に設置している同社の物流拠点内に在庫する水や食料、生活雑貨などを日高市民に提供する防災協定を日高市と締結した。同拠点は同社が展開する日用品通販サイト「ロハコ」の専用センターで生活に必要な物資がそろっており、災害時にそれらを提供するもの。アスクルが自治体とこうした防災協定を結ぶのは初めて。なお、1月18日には大阪・吹田市とも同様の協定を締結している。

 アスクルが日高市と締結した「災害時の食糧等の提供に関する協定」は昨年4月から稼働を始めた日高市内に設けた物流拠点「アスクルバリューセンター(AVC)日高」で在庫する飲料水や食料品、トイレットペーパーなどの生活必需品などを災害時に日高市に提供するもの。「AVC日高は我々が運営している個人向け日用品のeコマース『ロハコ』の専用の物流センターで現在、約5万点を常時在庫しており、生活に必要なありとあらゆるものがあり、それらを潤沢に備蓄している」(岩田社長)として、日高市からの要請や災害の状況に応じて、必要なものを必要な分、提供していくという。

 今回の防災協定について、アスクルの岩田社長は埼玉・三芳町にあった同社最大の物流拠点「アスクルロジパーク(ALP)首都圏」の昨年2月に発生した火災について触れ、「(火災で)近隣の住民の皆様に迷惑と心配をかけてしまった。その後、日高市内に(「ALP首都圏」の)代替センターを借り受けることができ、『ロハコ』を再建できた。そういった中でどのように日高市や地元の皆様に恩返しできるか、役に立てるかを考え、今回の協定の締結に至った。地域の皆様と共生できる企業になりたい」とした。

 また、日高市の谷ケ﨑照雄市長は「災害時に一番困るのは水や食料、防寒用品、トイレなど。我々は災害時に特にこれらをどうにかしようと取り組みを進めてきた中での今回の協定は非常にありがたかった。ある意味、新たな市の防災倉庫ができたようなものだ。また、災害時には物資はあるが届けられないことも大きな問題だが、市内に物資があるわけだからそうした問題も解決できる。今回の協定は全国の自治体にとってモデルになるのはないか」とした。

 アスクルが自治体とこうした防災協定を結ぶのは今回が初めて。なお、1月18日には大阪・吹田市とも同様の協定を結び、災害時には昨年9月に竣工した大阪・吹田市内の大型物流拠点「AVC関西」の在庫品を災害時に提供したりするほか、同拠点を市外などから搬入される救援物資を集積、荷捌き、搬出などを行う輸送拠点として吹田市に無償で使用させる取り組みも行う。
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