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ラストワンマイル協同組合 中小23社で通販宅配、1都3県対象に6月から

2018年 4月26日 10:26

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 1都3県(東京、千葉、神奈川、埼玉)の運送業者23社で組織するラストワンマイル協同組合が6月1日、ネット販売商品の宅配サービスを開始する。大手宅配便事業者が人手不足などから運賃を引き上げ、同時に荷受量を抑制する状況が続いている中、配送に課題を抱える通販企業へ宅配サービスを提供。料金はBtoBとBtoCの2系統を用意し、荷物量でなく仕分けや持ち込み先により各種割引を行い、2キログラム(60サイズ=3辺合計60センチ以内)の場合、最も低額な割引プランを利用すれば法人宛てが290円、個人宛てが345円で配送できる。

 協同組合は4月10日に設立した。理事長には東京・府中市の運送会社デリバリーサービスの志村直純社長(=写真)が就任。組合員となっている運送業者の大半が大手宅配会社から受託を受けて宅配サービスを行った経験を持っているとし、今回の宅配サービスもそのノウハウによって構築しているという。

 運賃は荷主と工程を棲み分けることで低額な設定を実現するという。一般的な宅配便の工程は、宅配便会社が集荷し複数の仕分けによって届けるが、ラストワンマイル協同組合の場合、荷主に荷物を拠点まで持ち込んでもらったり、事前に仕分けして持ち込んでもらったりすることで低額な料金で提供するという。

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 運賃は荷主側の負担によって4つの割引プランを用意している。宅配サービスは「一次仕分けセンター」(京葉センター、中東京センター、埼神センターの3センター)で「二次仕分けセンター」(5デポ)向けに仕分け、さらに「二次仕分けセンター」で44カ所の営業所(最終拠点)向けに仕分けるといった流れで実施するが、BtoCでの「2kg(60サイズ)」の荷物の場合、最も割引率が小さい「割引プランA」(荷物を都道府県別に仕分けた上で一次仕分けセンターへの持ち込み)は603円、「同B」(配送受け持ち会社ごとに仕分けた上で一次仕分けセンターへの持ち込み)で517円、「同C」(営業所別に仕分けた上で二次仕分けた上でセンターへの持ち込み)が431円、「同D」(営業所別に仕分けた上で各営業所への持ち込み)では345円となる。

 志村理事長は4月18日に行った会見でサービスの上手な使い方として「急がない荷物は仕向けごとにある程度ストックし、月曜日は東京、火曜日は神奈川といったようにし、持ち込みの路線費用を軽減する方法」を挙げた。また3PLや代行の事業者が複数の通販企業から持ち込まれる荷物の仕分けの細分化を行った上で組合へ持ち込み、中間マージンを利益として取り込めるようにするのも推奨する活用方法とした。

 事業スタート時の荷主は3PL事業者や倉庫事業者からの荷物から取り扱いを始めて、実績を上げていくという。

 また、付加サービスとして「時間帯サービス」(8~14時、12~18時、18~20時の3時間帯)や「指定日配達」、「日曜・祝日配達」、「荷物追跡情報サービス」、「代引きサービス」などを用意。ただし、付加サービスの内容を絞ることが低運賃化への要件になるとしている。今後は電話受付による集荷のサービスも今後提供していく考え。

 当初は1都3県(東京、千葉、神奈川、埼玉)を対象にサービスを展開し、初年度が1日当たり3万個の貨物量に対応し、2年目には同5万個(年間1500万個)、3年目で同15万個(同4500万個)の取り扱いを目指す。さらに今後は茨城県、山梨県、長野県、静岡県の運送会社を賛助会員として募り、エリア拡大を図っていく考え。

 組合のデリバリーサービス以外の参加企業は、アトムロジスティクス、地区宅便、圏央運輸商事、日本軽貨物輸送連合会、H&R、クイックス、クオリティーサービス、プラウド、日本エリアデリバリー、AIコンツェルン、トータルサポート、プレンティー、翔和サービス、ワークステーション、プロキャリーサービス、ライフポーター、安房運輸、千葉通商、ドリームネット、ティーアンドティー、エース、WORKS。

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