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消費低迷、長期化懸念<新型コロナ、中小に支援策> 雇用と事業守る施策不可欠に

2020年 4月16日 13:30

 新型コロナウイルスが日本経済に深刻な影響をもたらしている。本紙が3月末に行った緊急アンケートでは、「業績悪化」の見通しを示す企業が、全体の3割に達した。感染拡大で長期的な消費低迷が予想される中、雇用の維持と事業の継続を図る施策が必要になっている。


 

























影響長期化、調達面、店舗に打撃 

 「インバウンドにかなり影響」、「外出自粛から店舗に影響が出ている」。ここ数年、通販市場はインバウンド、越境ECなど海外需要の取り込みが、成長を支える一つの原動力となっていた。

 だが、新型コロナの感染拡大を受けて外国人渡航者は急減。緊急事態宣言の発令で、国民の接触機会を7~8割減らすことを目指す中、企業の事業活動は著しい打撃を受け、今後も消費低迷は長期化する見通しだ。

 緊急事態宣言前の本紙アンケート調査(=グラフ)で業績への影響を「不明」とした企業も「長引けば影響は必至」など不安を訴える声が少なくなかった。海外からの商品調達の遅れ、中国・欧州の生産ストップなど調達面の影響は、約半数の10社が「出ている」と回答する。

テレワーク推進販路開拓を補助

 政府は、今月にも100兆円を越える緊急経済対策を含む補正予算の成立を目指す。

 創設を目指す「持続化給付金」では、売上高が前年同月比で半減した中堅・中小企業を対象に、200万円を給付する。

 また、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫など政府系金融機関が新型コロナ関連で無利子・無担保融資を始める中、融資窓口を広げる観点から、自治体が行う「中小企業制度融資」(=表)を活用。3000万円を上限に実質無利子・無担保で融資を受けられる制度を創設。民間金融機関による融資を後押しする。

 サプライチェーン対策では、IT助成、販路開拓支援を含む「生産革命推進事業」に補助率を引き上げた特別枠を設ける。「IT導入助成金」では、在宅勤務やテレワーク導入など環境整備を進める中小企業を対象に、30~450万円(補助率3分の2)を補助する。6月をめどに公募を開始する。また、「ものづくり補助金」では、1000万円(同)を上限に補助。調達面に影響の出た企業や、海外の自社工場の操業停止を受けた拠点の国内移転を支援する。申請は、4月20日から5月20までを予定。顧客への商品供給の継続に向けた設備投資や商品開発、出荷先の営業停止に伴う新規顧客開拓、ECへのシフトなど企業のビジネスモデル転換に向けたシステム投資で活用を促す。

 新商品開発や、これを支える周辺の支援事業者に対する支援策も盛り込む。「JAPANブランド育成支援等事業」では、地域産品を使った中小企業の商品開発、越境ECなど新市場の販路開拓を進める企業を対象にした「事業者支援型」で、500万円(補助率3分の2)を上限に補助する。また、これら中小企業の取り組みを後押しする支援事業者を対象にした「支援事業型」では、市場調査やプロモーション活動に向けた費用について、2000万円(同)を上限に支援する。

中小企業向け融資で優遇策

 緊急事態宣言の発令を受けた7都府県は、休業要請に踏み切る。自治体の休業要請は、一定の休業補償と組み合わせた取り組みに対する要請が強い。

 東京都は独自に「感染拡大防止協力金」を創設する方針。協力依頼に応えた企業を対象に50万円(2店舗以上は100万円)を給付する。ただ、どこまでの”協力”を補償する枠組みとするか、商業施設内のテナントが対象になるかなど、対象要件は定まっていない。近日中に概要を示すとする。神奈川、福岡なども休業要請に伴い、賃料支援などの協力金を支給する方針。政府が補正予算に盛り込む1兆円規模の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」(仮称)を活用した支援も検討する。

 「中小企業制度融資」では、新型コロナ関連の融資枠を新設する自治体もある。金利優遇などで、企業の活用を促す。東京都は、一定の要件を満たす企業を対象に、テレワーク導入費用を助成するほか、来年7月開催までの展示会の参加費用を助成することで、事業活動の活性化を支援する。


通販各社が在宅・休業補償検討、出社社員に手当支給も

<雇用継続へ支援策>

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、直営店の臨時休業、コールセンターの人員削減に踏み切る通販企業が増えている。事業への影響が深刻化する一方、業務を下支えする派遣、パート社員を含む従業員の支援策も必要になっている。自宅待機に伴う従業員の休業補償の検討を始める企業もある。

 全国に直営店を持つある通販企業は、商業施設の方針を受け一部店舗を休業。「派遣、パート社員を含め、全額休業中の給与を補償する」とする。同じ状況の別の通販企業も「有給と異なる公休扱いで自宅待機する店舗従業員(パート・派遣含む)の給与は支払う」とする。別の通販企業は、「どの程度まで補償するか協議中」。自社コールセンターを持つ福岡の通販企業は、「現状、休業補償の対象者はいない。派遣社員は派遣元の判断を仰ぐ」とする。

 在宅勤務する社員の支援も始まる。メルカリは、緊急事態宣言の発令を受けて東京・大阪・福岡のブランチを閉鎖。在宅勤務の環境構築を目的に、6万円の手当を支給する。GMOインターネットは、光熱費、通信環境整備を目的に支援金を毎月支給する。ソフトウェア開発のSHIFTは、従業員の安全に配慮しつつ、在宅勤務が困難な一部従業員(アルバイト等含む)を対象に日額3~4000円の「危険手当」を支給する。

 国は、従業員の休業手当を助成する「雇用調整助成金」を拡充する。4月1日から6月30日の休業に適用。対象を雇用保険加入者でないアルバイトまで広げる。助成率も中小企業は5分の4、大企業は3分の2に引き上げる。期間中の解雇がない場合、さらに上乗せする。

 受給要件も緩和。売り上げ減少の評価は、「前年同月比5%減」に変更。評価期間も1カ月に短縮。短時間の休業要件も「事業所の一斉休業」から「店舗毎」に緩和する。

 小学校の臨時休業に伴う労働者の休暇取得を支援する企業の助成金も新設。正規、非正規問わず、年次有給休暇とは別に有給休暇を取得させた企業に日額8330円を上限に助成する。対象期間も6月末に延長する。


 
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