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イオンリテールの「LULUTI」が原宿にドレスレンタルの旗艦店、全国への出店を加速へ

2025年 6月12日 12:00

 イオンリテールは6月6日、東京・原宿に運営するファッションレンタルサービス「LULUTI(ルルティ)」の旗艦店を開設した。今後、原宿店を皮切りに全国出店を加速させていく。

 
 新設した店舗「LULUTI HARAJUKU(ルルティ原宿)」はJR原宿駅前の複合施設「WITH HARAJUKU(ウィズ原宿)」の1階に出店。店舗広さは約120平方㍍。試着ルームは4室あり、顧客は予約なしで来店することが可能という。これまでも実店舗を「イオンモール」などイオンの商業施設内で展開してきたが、外部の商業施設に出店するのは初めて。

 同店では「ルルティ」でレンタル・試着可能なアイテムを取り扱い、ドレスを中心に215種類を展開。アクセサリーやシューズなどの小物類も取り扱う。同店限定で「スナイデル」や「セルフォード」など、Z世代に人気のブランドドレスも展開する。顧客の希望商品が店頭にない場合は、「ルルティ」の専用倉庫から顧客宅への発送にも対応する。

 原宿店のレンタル料金はドレスが税込6600円から1万1000円、シューズは同1650円から3300円、バッグは同1650円から3300円。

 店内ではInnovation Studio社のカウンセリング診断ツール「+PLUS MIRROR(プラスミラー)」を導入。同ツールを用いて来店者向けにAI技術を活用したパーソナルカラー診断・骨格診断を行う。

 同日のオープン記念イベントに登壇した小林博人ルルティ事業部長は「本サービスはシェアリングエコノミーを推し進める第一歩となる。国内ファッション業界において、新たな消費価値を創造し発信していく」と決意を述べた。今後は原宿店を皮切りに、各都道府県に出店を加速。「毎年最大10店舗をめどに出店していきたい」(小林部長)とした。

 また、モデルの貴島明日香さんも登壇。「ルルティ」オリジナルのドレスを身にまとった貴島さんは「ドレスは頻繁に着るものではないので、その日の気分や着用シーンに合わせてその都度借りられるレンタルドレスは、楽で合理的な選択だと思う」とサービスの魅力を語った。

 「ルルティ」は2018年4月に同社の社内ベンチャー事業として開始。全国13の店舗と専用サイトでのネット販売で、衣類のレンタルサービスを提供中。結婚式や成人式などのオケージョンシーンに適したドレスを中心に、ブランドアイテムを取り扱っている。
 
「ルルティ」旗艦店開設の狙い
気楽に来られる場に出店を

「新たなアパレルの形作る」

 イオンリテールの小林博人ルルティ事業部長(=写真)に、旗艦店出店の狙いや「ルルティ」運営の意義について聞いた。(イベントでの本紙記者を含む報道陣との一問一答から要約・抜粋)
 

 ――原宿に出店した狙いは。

 「『ルルティ』のメインターゲットは20代を中心としたZ世代。彼女らが電車を使って気軽に来られる場所に出店したかった。また、ウェディング施設が多数ある表参道近辺に出店することで、ユーザーは借りたドレスをその場で着てすぐ会場に向かうことができる」

 「アパレル業界において、ファッションレンタルは最後のビジネスモデルだと思っている。それを全国に広く発信していく場所として、若者が多く集まる原宿はふさわしかった」

 ――本店舗とECの連携について。

 「売り場にはレンタル商品のQRコードを設置した。顧客は気になった商品をQRコードで読み取り、後日サイトから注文することができる。反対にサイトで気になった商品を、店舗で実際に試着して購入可否を判断することもできる」

 ――イオンリテールとして本サービスを提供する意義は。

 「昨今のサステナブルを重視した消費活動、シェアリングやレンタルなど共有価値観の高まりを踏まえて『ルルティ』を新規開発することとなった。小売業である我々がレンタルサービスを行うことに意味がある」

 「衣料品の生産、販売、そしてさらに商品をレンタルで回していくという〝サーキュラーエコノミー〟を実現させたい。新たなアパレルの形を5年10年かけて作っていきたいと考えている。本事業はその一環だ」

 ――アパレル業界の環境問題に警鐘を鳴らす取り組みともいえる。

 「環境省が推進する、脱炭素化社会の実現に向けた国民運動『デコ活』と連携した取り組みも検討している。本サービスを全国の皆様に届けることで、ものを持たないシェアリングの魅力を伝えられるのではないか」
 
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