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コンプモトが楽天市場で「占い」販売 社長が鑑定、入り口商品として期待

2025年 6月12日 12:00

 パソコン関連商品を販売するコンプモトが、仮想モール「楽天市場」で〝占い〟の販売を始めた。社長である葛西豊喜氏の趣味であるタロット占いを活かしたもの。同社は占いを「入り口商品」と位置づけており、楽天市場の広告も活用し拡販したい考えだ。

 同店で販売するのは、恋愛関連のタロット占い鑑定。「現状とアドバイス」「相手の気持ち」「相手との相性」「結婚準備等」「離婚の全体像・未来等の見極め」など、全部で11の占いがある。価格は2000~5000円だ。

 例えば「相手の気持ち」占いは、「タロットカードが映し出す相手の現状や隠された本心、悩みや葛藤などを読み解き、あなたの不安や疑問を解消するお手伝いをする」というもの。ユーザーは、まず希望する商品をページより注文。その際には自分・相手の性別や年代、さらには自分と相手との関係性などを20文字以内で入力する必要がある。

 対象者がセンシティブな悩みを抱えていることも考えられるため、商品ページからの相談内容入力は最小限にとどめている。追加で情報が必要な場合などは、葛西社長が楽天市場の「お問い合わせ」機能で注文者に連絡し、やりとりを行う。注文者からの返答内容をもとにタロットで占い、結果をメールで納品するという流れ。いったん出た鑑定を受けた「対応策検討」など、追加で占いを行うことも可能だ。

 楽天市場において占い商品を扱う店舗は他にない。役務の提供に関しては、あらかじめ申請が必要になるが、規約では占いを販売することは禁じられていないことから、6月より取り扱いが可能となった。

 同社はパソコン関連用品がメイン商材だが、青森の企業ということもあり、リンゴジュースなど青森県の特産品も長年取り扱ってきた。葛西社長は、30年以上タロット占いを趣味としてきたが、最近はプロの占い師として、占いのプラットフォームサイト「ココナラ」で1600以上の相談を受けるなど、実績を重ねてきた。

 葛西社長は「『パソコンを買った人だってリンゴジュースは気になるはず』というコンセプトのもと、リピート購入を目的に特産品を販売してきた。しかし、ココナラで相談を受けるうちに『人間はパソコンも買うしリンゴジュースも飲むけど、いろいろ悩むよね』ということに気づいた」と、「占いEC」参入の背景を説明する。

 そして「『ココナラは使っているが楽天ユーザーではない』という人よりも、『楽天ユーザーだけどココナラのことは知らない』という人の方が圧倒的に多い。『悩みがあって占いに興味があるけど、利用したことはない』という需要を、取り込めるのではないか」(葛西社長)と考え、規約で禁じられていないことを確認した上で、楽天市場店での占い商品販売を決めた。

 6月の「楽天スーパーセール」にあわせて商品ページを仕上げた段階のため、まだ宣伝は行っていない。同社では「占い商品は価格的にも楽天市場の買い回り企画と相性が良いし、期間限定ポイントの消費先としても選ばれやすいのではないか」(葛西社長)とみており、今後は広告やポイント還元率を高くした商品を販売するコーナー「楽天スーパーDEAL」を使って集客するほか、葛西社長のX(旧ツイッター)でも告知する。

 タロット占いをするのは葛西社長1人だが、1日あたり100件程度の鑑定に対応可能という。コンプモトではこれまで、低価格商品や青森県の特産品を入り口商品としてきたが、今後は占い商品にその役割を期待する。

 葛西社長は「占い師はたくさんいるが、楽天市場で占いを売っているのは現段階では当社だけ。今のうちに確固たる地位を築きたい」と意気込む。今後は恋愛の悩み相談だけではなく、仕事関連の悩み相談や、運勢なども商品として追加したい考えだ。
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