「今の段階で昨年の売り上げを超えている。これからがピークなのでさらなる伸びを期待している」――。LINEヤフーが運営する仮想モール「ヤフーショッピング」で展開する「父の日」の特集ページ経由の売り上げを大きく伸びている。同社はAI(人工知能)を活用したページ作りを推進中で今年から父の日特集ページでもコンテンツ作成のアイデアなどについてAIを活用したことで作成スピードが高まり、内容量が増えた。「(特集内の)コンテンツ量は昨年の特集の3～4倍。様々な角度から商品を提案できるようになり、それが(父の日特集の売り上げ増)につながっていると思う」(同社)とする。

　父の日向けギフトの特集ページ「父の日ギフト特集2025」(=画像㊤)は「ヤフーショッピング」で5月12日から掲載を開始。今年の「父の日」となる6月15日の翌日の6月16日まで掲載する。

　特集ページは例年通り、酒類、食品、菓子、衣料品などのカテゴリーごと、また、売れ筋のランキングや贈る父親の年代別などで「ヤフーショッピング」の出店者が販売する商品を紹介する構成。なお、今回からマッサージ器や血圧計などを紹介する「マッサージ」というカテゴリーや、一昨年3月から「ヤフーショッピング」でもスタートし、拡大に注力している送り先に住所を知らなくてもギフトなどを送ることができる「ソーシャルギフト」でプレゼントを送ることができる商品を集めた企画やふるさと納税の返礼品を集めた企画なども新設した。

　現在までの売れ筋は例年人気のうなぎのかば焼きをはじめ、ビールや日本酒、焼酎などのセット、メロンなどの果物などと大きな変化はないようだが、父の日当日を前にした6月上旬の時点ですでに同特集経由の売り上げは「昨年の父の日特集ページ経由の売り上げを超えている」(同社)と話す。ユーザーを同特集へ誘導する施策を増やしたり、期間中に毎週、合計6回配布する3000円以上の購入で300円引き、1万円以上の購入で1000円引きとなる割引クーポンなどキャンペーンの訴求が図に当たっていることもあるが、AIを活用して作成した様々なコンテンツも売り上げをけん引する一因となっているようだ。

　例えば、各商品カテゴリーページに下部に設置したコラムやガイド。酒カテゴリーでは「父の日に贈る、一杯の『ビール』で感謝を伝えよう」(=画像㊦)というコラムを掲載。ビールの種類を解説しつつ、それに合致したビールの販売ページへのリンクを掲載している。グルメカテゴリーでは「父の日に『鰻』ギフトが選ばれるのはなぜ?」と題したコラムでうなぎの魅力を解説しつつ、販売中のひつまぶしやかば焼きなどを紹介している。また、カテゴリによっては〝ガイド〟を掲載。商品の選び方を案内するコンテンツで、例えばファッション・コスメカテゴリーではコンテンツで「父の日の『ファッションギフト』ガイド」と題して「リネンシャツで涼しさを演出」「コットンパジャマでくつろぎの時間を」「レザーベルトでスタイルにアクセントを」など特定のアイテムに絞って商品を提案している。

　これらのコンテンツは「AIが提案し、情報も集めてもらい、それらをもとに作成したもの。これまでよりもページ作成が大分、楽になった」(同社)ことでコラムやガイドはもちろん、「酒」「グルメ」のカテゴリーページの上部に掲載した例えば「うなぎ」「和牛ステーキ」「缶詰」などの特定ジャンルの商品を「3000円未満」「～5000円」「～10000円」など金額別におすすめ商品を表示する機能についても、提案する商品の設定などをAIを活用して決めるなど、これまでよりも豊富で様々なコンテンツを短期間で作成できるようになり、様々な角度から商品提案が可能になったこと。また、そもそも今回の父の日特集ページの全体の構成自体もAIを活用して考案、作成しており、より効果的な見せ方ができ、それが売上増につながっているという。

　本番となる父の日に向かって、さらに売り上げは伸びていくと予想しており、父の日特集ページ経由の売り上げは「昨年の1.8倍、最終的には2倍くらいまで伸びるのではないかと期待している」(同社)とする。

　なお、5月に「ヤフーショッピング」に掲載した母の日特集も父の日特集同様、AIの活用や割引クーポンの配布などで好調だったようで定番のスイーツや花、果物、うなぎなどの売れ行きが伸び、同ページ経由の売り上げは前年比で約2.5倍となったとしている。