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BtoB型越境ECを強化【ラクーンコマースの和久井社長に聞く 卸・仕入れサイトの成長戦略は?㊦】 台湾向けに特化したサイト新設、各国の商習慣に対応へ

2020年 5月21日 10:09

 前号に引き続き、ラクーンコマースの和久井岳社長(写真)にBtoB卸・仕入れサイトの成長戦略を聞いた。

 ――海外展開は。

 「国内メーカーが海外バイヤーと取り引きできるBtoB型越境通販サイト『SDエクスポート』を2015年から運営している。メーカーは国内倉庫に商品を発送するだけで、商品情報の翻訳や受注、決済、貿易事務、物流などの業務は発生せず、国内販売と変わらない手軽さで海外バイヤーに販売できる」

 ――出展企業数は。

 「出展メーカー数は1400社を超え、商品数も53万点以上だ。海外のバイヤーは直近1年間の平均で月間約1200店増えているが、2~3月はコロナの影響から月2000店程度増え、足もとでは合計約6万2000店に拡大している」

 ――「スーパーデリバリー」の出展企業で越境ECに参加していないメーカーもある。

 「参加していないメーカーは海外市場に興味がないのではなく、海外での販売ライセンスがなかったり、自社で海外販路を持っていたり、代理店があるなどの理由で当社を頼らなくても販売できるメーカーだ。輸出できない商品を取り扱う企業もある。まだ認知が足りないため、出展企業数はもっと増える」

 ――流通額の多い国や地域は。

 「現状、台湾や香港などアジアでの流通額が大きい。日本国内と同様にアパレルと雑貨がメインで、海外小売店のニーズが高い商品の出品強化を進めてきた。例えば、日本の食器は人気があり、品ぞろえは豊富だ」

 ――越境ECの事業環境は。

 「以前に比べ物流面や翻訳機能なども含めて越境ECを行う環境は整備されてきて競争も激しい。そうした中で頭ひとつふたつ抜け出すためには、国内メーカーが輸出で苦労している部分を『SDエクスポート』であれば簡単にクリアできるということを発信していかないといけない」

 ――BtoCの越境ECは多いが、BtoB型はあまり聞かない。

 「BtoBはマージンが低いため、何か起きたときに費用を吸収できない。当社のように小ロットで対応でき、海を越えてドア・ツー・ドアで届ける仕組みはほぼないと思う」

 ――SDエクスポートの課題と展望は。

 「当初は世界134カ国のバイヤーと取り引きできるBtoB越境ECとしてサービスを開始したが、実際には134カ国に向けて売りたいメーカーはなかった。米国に売りたい、アジアに売りたいという個別ニーズが多く、その点は見誤った。海外バイヤーもそうで、その国や地域、都市のニーズにたまたま日本の商品がマッチしていて仕入れるのだと思う。各国の商習慣も異なるため、そこに対応していかないと日本の商品だからといって売れる時代ではない」

 ――具体的にどうしていくのか。

 「台湾向けに特化した新サイト『日貨百貨 バイ スーパーデリバリー』を5月7日に開設した。台湾の商習慣に合わせた物流や決済方法、言語に対応する。『SDエクスポート』は英語のみだが、新サイトは中国語(繁体字)に翻訳する。物流はアジア専門の配送会社を利用することで『SDエクスポート』の配送に比べて短納期、低コストを実現した。決済はクレジットカードだけでなく、後払い決済にも対応した。海外での後払いは怖い部分もあるが、台湾で後払いのスキームが成功し、他の国でもできれば面白い展開になる」

 ――台湾以外は。

 「各国の商習慣に合わせたBtoB越境サイトをサテライトのように開設していきたい。基本的な仕組みは一緒で横展開していく。台湾は日本製品のニーズが高いし、これまでも台湾バイヤーとの取り引きは多く、売れ筋のデータもかなりある。台湾の消費者ニーズに合った商品を選りすぐった上で販売する。プロモーションも行う。販促、商品、サイトの3つをそろえたときにどんな変化が起きるのか楽しみだ」

 ――台湾でのサイトの見せ方は。

 「企業向けだが、あくまでも当社が選定した商品を台湾のバイヤーに提案するという形で展開する。品ぞろえで勝負して選んでもらうカタログ的な発想ではなく、『これが売れています』というセレクトショップのような見せ方にした」

 ――国内と海外の売り上げ構成比は。

 「国内8割、海外2割だが国内も伸ばしながら早い時期に半々にしたい。海外市場は大きく、将来的には海外8割、国内2割に逆転させたい」(おわり)

 
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