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JRMAが実証実験 DMの購入率がEメールの倍に、サイト誘導後購入もDMに軍配

2020年 7月 9日 07:30

 「ダイレクトメールの購入率、Eメールの倍以上に」――。日本リテンション・マーケティング協会(JRMA)は7月1日、今春に実施したダイレクトメール(DM)と電子メールを用いた通販商品の販促活動の実証実験についての結果を公表した。

 JRMAではリテンション・マーケティングに関する過去の活動の学習効果や取得した知見を実践の場で活かすべく3月に会員者らが共同で実証実験を実施。同協会の正会員であるオムロンヘルスケアが販売する運動後の筋肉疲労を緩和させるコードレス低周波治療器「HV‐F601T」の購入者に対し、交換用パッドの購入を促す手段として、賛助会員であるアドレス通商(担当=DMメーリング作業)やグーフ(同=DM仕様技術サポート)、フェアグラウンド(同=DMクリエーティブ)、フジプラス(同=DM印刷・加工)、Michelle(同=企画・進行管理)が協力し、「DM送付のみ」「Eメール送付後にDM送付」「Eメール送付のみ」の3つの方法での訴求を試し、オムロンヘルスケアの通販サイトに誘導、同サイトでの購入率の違いなどを分析した。なお、Eメールは3月23日に、DMは同26日に送付し、結果計測は5月20日までの結果としている。

 実証実験による購入率の結果は「DMのみ」が4・3%(対象母数・514件)、「Eメール+DM」は4・7%(同・301件)、「Eメールのみ」が2・0%(同・302件)と購入率はDMがEメールの倍以上高く、また、Eメール送付後にDMを送付して場合とDM単体を比較しても購入率にあまり差はなかった。

 また、通販サイトへの誘導率は「DM」が11・7%(同・514件)、「Eメール」が12・6%(同・603件)となり、DMよりもEメールの方がサイト誘導率では上回ったものの、通販サイトに誘導された人の購入率をみると「DMのみ」の場合では36・7%となった一方、「Eメール(Eメール+DM含む)」の場合は22・2%となり、通販サイトへ誘導後の購入率はDMの方が高かった。

 JRMAでは、通販における訴求方法としてのDMとEメールでは、「『DMの方が購入率が高い』ということは他の事例でも見受けられるが(今回のように)購入場所をECサイトに限定してもDMの方が高かった」ことに着目。スマートフォンの普及に伴い、オフラインからオンラインへの誘導に対して抵抗が低いことが伺えるとした。また、「購入率の高いDMだが、Eメールよりも費用がかかり非効率」という声については「多くの場合、コミュニケーション前後の行動だけを捉えた瞬間風速的な評価である場合が多い」とした上で「リテンション・マーケティングの観点で、ある刺激(=コミュニケーション)と行動がその後の購買行動を安定化させることに寄与しているか否かも今後継続観察していく予定」とした。
 
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