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ヤフー 仮想モールを刷新、売上の3%徴収の販促支援策を新設

2022年10月20日 11:00

 ヤフーは10月13日、運営する仮想モール「ヤフーショッピング」を刷新した。年商規模や優良な取引状況など一定条件をクリアした企業のみに出店を制限した仮想モール「PayPayモール」と一般事業者らが出店する「ヤフーショッピング」をそれぞれ展開してきたが、2つの仮想モールを「ヤフーショッピング」に統合、リニューアルしたもの。出店者への固定費は無償とする一方で、売り上げの3%の徴収に応じると利用可能となる販促支援策を新たに設けた。ヤフーでは売り上げ確保を図るほか、有力出店者を支援して流通総額拡大につなげたい考えだ。

 
 刷新したヤフーショッピングではトップページや検索結果ページのデザインを従来までの仕様から変更。トップページでは開催中のキャンペーンやユーザーごとに訴求したい情報を表示したり、カテゴリタブからファッションなどの各商品カテゴリページに遷移する形としユーザーが目的の商品ページにたどり着きやすいようにした。検索結果ページは商品詳細ページへの遷移なしに商品画像が複数表示する仕様とし、類似商品を比較しやすくすることで購入を促すようにした。

 また、ヤフーショッピング内にヤフーが定めた発送の速さや顧客対応など一定の基準をクリアした出店者のみが参画できる「優良ストア」を用意。優良ストアが販売する商品について、モール内の商品検索結果の一覧に専用アイコンを表示、利用者に分かりやすいよう訴求する。従来から両モールで展開してきた制度だが、統合・刷新に伴い、発送の速さなど高い配送レベルを保ち続けている事業者など判定基準を厳格化した。

 同じく従来から実施してきた当該出店者全体の出荷遅延率や商品の受注から配送完了までの早さなどが一定基準を満たした商品に、商品検索結果や商品詳細ページで「優良配送」というアイコンを表示する取り組みは継続する。

 さらに今回の刷新に伴って一部のカテゴリでブランドの直営店または正規代理店などが取り扱う当該ブランドの商品に「ブランド公式商品」マークが表示する試みを開始した。

 各種のアイコンやマークの表示で優良な出店者への集客や販促の支援を強化することで、同モールに出店する大手・優良事業者をサポートし、流通総額の拡大につなげたい考えのようだ。

 新生ヤフーショッピングでは「PayPayモール」の出店者から徴収していた税抜販売価格の3%の「PayPayモール掲載料」を廃止。初期費用や毎月の固定費、売上ロイヤルティはこれまでの「PayPayモール」「ヤフーショッピング」と同様、徴収しない。アフィリエイトパートナー報酬原資や決済サービス手数料、オプションサービス使用料は従来通り徴収する。

 なお、強制ではなく任意のサービスとして新たに「プロモーションパッケージ」と呼ばれる商品検索の検索結果順位を上位表示したり、通常は閲覧できない詳細な顧客データの閲覧できるツールを利用できる出店者への販促支援策を用意した。税抜販売価格の3%の徴収に応じた出店者に提供するもの。「当社にとって新たなマネタイズの施策の1つ。任意ではあるがすでに出店者の半数以上に申し込みを頂いている」(ヤフー)としている。

 2つの仮想モールを「ヤフーショッピング」に統合することでソフトバンクやPayPayなどグループのサービスからの送客を一本化および最大化するとともに、刷新後は従来の「ヤフーショッピング」ではなく、年商規模や優良店など一定条件をクリアしたネット販売実施企業のみに出店を制限したプレミアム仮想モールであった「PayPayモール」に近いUI・UXやサービスレベルとし、同モールの出店者とその商品を強く訴求できる仕様とすることで売上高の多くを稼ぎ出す大手・優良事業者の販売力を強化、仮想モールの流通総額拡大を図っていきたい狙いがあるようだ。
 
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