
購入金額によらず送料を無料にする通販サイトが増えている。アマゾンジャパンや楽天の「楽天ブックス」をはじめ、今年に入ってからはヨドバシカメラなどの家電量販店の通販サイトも相次いで無料キャンペーンを開始。サービスを恒常化するサイトも増えており、送料無料が「当たり前」のサービスとして消費者に受け止められる可能性が高くなっている。通販企業は送料無料にどう対応すべきか。取り組みを開始した企業に聞いた。第1回は、新刊漫画の全巻セット販売を手掛ける通販サイト「漫画全巻ドットコム」を運営するTORICOの安藤拓郎社長。
――一昨年から、購入金額によらず送料を無料にしている。
「書籍販売という点でライバルとなる、アマゾンジャパンや楽天ブックスが送料無料を恒常化している以上、対抗する必要がある。消費者も(書籍通販に関しては)送料無料が当たり前と思っているのでは」
――利益面ではかなり影響が出るのでは。
「確かに送料は負担にはなっているが、当社の場合、漫画全巻での購入が多いこともあり、送料は吸収できている」
――単価は以前よりも落ちているのか。
「最近は小説などの書籍の単品販売の取り扱いも増えていることもあり、この1年間で4000円ほど落ちた。ただ、それでも1万円を下回ることはない」
――新規獲得に効果は出ているか。
「出ていると思う。書籍以外でも、CD・DVDや映画の前売券などの取り扱いも開始しているが、こうした商材は新規顧客の購入比率が高い。送料無料が効いているのではないか」
――11年3月期の売上高は、前期比43%増の10億円。成長の要因は。
「サイトの認知度向上と商品点数の増加が大きいと思う。漫画全巻を販売するサイトは他にもあるが、認知度ではトップだ。取り扱い点数は、1年前の約3万点から現在は7万点を超えている。以前は人気漫画『ワンピース』のセット販売の売り上げに占める割合が非常に大きかったが、商品点数が増えたことで、いわゆるロングテールの部分が伸びている」
――今後の展開に関して。
「エンターテインメント系の商材に関してはすべてを扱うサイトにしたい。やはり書籍だけでは成長に限界がある。できるだけ書籍の販売比率を少なくする必要があるだろう」
――昨年には海外向けサイトもオープンしている。
「1年間で1億円の売上高を目標としていたが、実際にはその半分もいかなかった。軌道に乗るにはもう少し時間がかかるのでは」
(聞き手は本紙記者・川西智之)
――一昨年から、購入金額によらず送料を無料にしている。
「書籍販売という点でライバルとなる、アマゾンジャパンや楽天ブックスが送料無料を恒常化している以上、対抗する必要がある。消費者も(書籍通販に関しては)送料無料が当たり前と思っているのでは」
――利益面ではかなり影響が出るのでは。
「確かに送料は負担にはなっているが、当社の場合、漫画全巻での購入が多いこともあり、送料は吸収できている」
――単価は以前よりも落ちているのか。
「最近は小説などの書籍の単品販売の取り扱いも増えていることもあり、この1年間で4000円ほど落ちた。ただ、それでも1万円を下回ることはない」
――新規獲得に効果は出ているか。
「出ていると思う。書籍以外でも、CD・DVDや映画の前売券などの取り扱いも開始しているが、こうした商材は新規顧客の購入比率が高い。送料無料が効いているのではないか」
――11年3月期の売上高は、前期比43%増の10億円。成長の要因は。
「サイトの認知度向上と商品点数の増加が大きいと思う。漫画全巻を販売するサイトは他にもあるが、認知度ではトップだ。取り扱い点数は、1年前の約3万点から現在は7万点を超えている。以前は人気漫画『ワンピース』のセット販売の売り上げに占める割合が非常に大きかったが、商品点数が増えたことで、いわゆるロングテールの部分が伸びている」
――今後の展開に関して。
「エンターテインメント系の商材に関してはすべてを扱うサイトにしたい。やはり書籍だけでは成長に限界がある。できるだけ書籍の販売比率を少なくする必要があるだろう」
――昨年には海外向けサイトもオープンしている。
「1年間で1億円の売上高を目標としていたが、実際にはその半分もいかなかった。軌道に乗るにはもう少し時間がかかるのでは」
(聞き手は本紙記者・川西智之)