P2C Studioの「マリネス」がウェルネスブランドへ進化、売上30%増と順調に成長

2025年09月03日 16:14

2025年09月03日 16:14

 UUUMの子会社でブランドやECを手掛けるP2C Stuioは宅トレブランド「マリネス」について、クリエイターブランドからの脱却を図る。2021年のブランド発足後、プロテインを中心に売上高を伸ばし、毎年30%増と好調に推移する。今後、AIを活用した健康相談サービスの導入や他社との提携などをすすめ、ウェルネスブランドとして認知度を高めていく。


0903161310_68b7ea861d615.jpg 宅トレブランド「マリネス」はクリエイター竹脇まりなさんがディレクターを務める「もっと、自分を好きになる」をコンセプトに商品を展開する。

 P2C Studioはブランド運営するMARINESSと協働し、商品企画やデザイン、販売を行う。主力商品のプロテイン「マリネスプロテイン」(=画像)や青汁などのほか、9月には新商品のリカバリーウェアを展開する。

 中心顧客層は30~40代の女性。クリエイターの竹脇まりなさんのフォロワーを中心に顧客接点を広げ、顧客数は延べ10万人に拡大した。アクティブ顧客は約2万人にのぼる。

 昨年4月にプロテインを刷新し、味や溶けやすさを改良した。マルチサプリメント発想を取り入れて、1日分のビタミンに加え鉄やミネラルを配合。プロテイン摂取時のストレスを解消し、摂取するメリットを追求した商品企画が奏功し、定期の継続率は20%伸長した。

 LINEを活用した宅トレ支援サービスも行う。顧客の悩みに合わせたトレーニングメニューの提案や、励ましのメッセージを送信する。トレーニング動画数百本を持つコンテンツ力を生かした施策で、顧客同士がSNSで励ましあうコミュニティが自然発生するなど顧客との関係性構築につながった。

 順調に売り上げを拡大する中で、ブランドの転換を目指す。クリエイターの集客力だけに依存しない、ウェルネスブランドとしての成長を目指していく。「コンシューマーブランドへと成長することで、より多くの人に健康を届けていく」(同社)考えだ。

 その一環として、フィットネス以外に商品の幅を広げる。ブランドに基づく商品軸を見直し、新たに運動・食事・休息に定義した。商品カテゴリーを広げることで、新規顧客層との接点を拡大する。

 あわせて商品やサービス開発に、AIなどの最新技術や専門家の知見を取り入れることで商品力を高める。一方でクリエイターは発信力を強みに、「媒体のような役割を担う」(同)。クリエイターのSNSや動画コンテンツで顧客接点を拡大し、商品と動画コンテンツの相互送客をすすめていく。

 ブランドの見直しは新規顧客の開拓で成果が出ているよう。クリエイターのYoutubeチャンネルやインスタグラム経由の集客比率は3~4割にとどまり、オーガニック検索とモール内SEOがそれぞれ3割を占める。「SNSは認知のきっかけ。モールの売れ筋ランキング上位に入り露出が増えると、ブランド『マリネス』の認知が購買を促進する」(同)とした。

 今後、ブランド「マリネス」として、他社とのアライアンスを積極化する。他社と組むことでブランド力を高め認知度を向上するほか、「マリネス」のコミュニティを活かして他社の集客支援にも貢献したい考え。

 またAIを活用した健康相談の開始も予定する。健康の悩みを幅広く収集し、顧客情報や購買履歴、エンゲージメント、インサイトなどのデータベースと連携する。収集、分析したデータはマーケティングや出店戦略、商品開発に活用していく。ウェルネスブランドとしての成長を加速させ、将来的には海外展開も視野に入れている。

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