日本郵便が米国宛て郵便引受を停止、非課税基準額ルール廃止で

2025年09月03日 16:21

2025年09月03日 16:21

 日本郵便は8月27日から、米国関税や規制の変更に伴い米国宛て郵便物の一部の引き受けを一時停止した。これまで米国では800ドル以下の輸入品に対しては非課税としてきたが米国政府は7月30日、「すべての国に対する免税措置(デミニミス)待遇の停止」と題する米国宛て郵便物に対する大統領令を発表。消費目的のために輸入される物品を内容とする郵便物(課税対象郵便物)は8月29日以降、免税措置を停止して関税が課されることとなった。


 米国通関・国境警備局(CBP)は8月15日、CBPへの関税保証金の納付、通関申告書の作成などを運送事業者などが負うことを内容とする「デミニミス撤廃に関する新たなガイドライン」を発表した。ただ、運送事業者やこれに対応する各国郵便事業体などが実施すべき手続きが不明確であることから、運用が困難な状況になっているという。そのため8月27日から、個人間の贈答品で内容品の価格が100USドルを超えるものや、消費を目的とする販売品などの内容品を包有する米国宛て小型包装物、小包、EMS(物品)の引き受けを一時停止した。

 書状、はがき、印刷物、EMS(書類)のほか、個人間の贈答品で内容品価格が100USドル以下のものを包有する郵便物については引き受けを継続。また、国際宅配便の「UGX(ゆうグローバルエクスプレス)」は、米国税関の規制に対応した取り扱いとなるため、引受停止の代替手段として運用していく。

 なお、デミニミス待遇停止を受けて日本以外の各国の郵便事業者でも関税込み発送に対応することが難しく、米国向けの小包発送を一時停止しているようだ。米国向けに越境ECを行う事業者は影響を受けることになりそうだ。

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