DHCが化粧品の流通強化、リップで販路開拓と陳列拡充

2025年09月03日 16:57

2025年09月03日 16:57

 ディーエイチシー(=DHC)が化粧品の流通展開を強化する。流通店舗は、サプリメントの売り上げが大半を占めるが、化粧品のマーケティングは課題を残す。国内外で知名度の高いリップシリーズを中心に、販路開拓と陳列スペースの拡充を目指す。


 化粧品は、通販、直営店を中心に顧客接点を築いており、店頭市場で事業成長の余地があるとみる。流通の販路はドラッグストアやスーパーが中心だが、バラエティショップ、量販店などの開拓もさらに進め、販路拡大を図る。

0903165418_68b7f42aa1d3d.jpg 流通店舗は、展開商品、商品ラインアップの最適化を進める。今年8月には、リップクリームシリーズの「カラーリップクリーム」(税込770円、3色展開)を新たに発売し、商品ラインを一部見直した。

 シリーズは、「薬用リップクリーム」(税込770円)を主力に展開する。99年の発売以降、昨年末に販売本数が2億本を超えるなど顧客の支持が根強い。海外の売上比率が47%(前年実績)を占め、国内外で知名度が高くインバウンド需要もある。ほかに敏感肌用や高保湿タイプなど機能別のリップクリーム、カラーリップを含め15品目を展開する。

 新商品のカラーリップは、従来からあるカラーリップ商品で多く採用されていたパウチタイプから紙箱に変えることで環境対応するとともに、「薬用―」と同様のデザインでシリーズに統一感を持たせた。

 従来品は、パウチタイプのため店内で陳列スペースが異なることがあり、商品認知に課題があった。リップクリームの需要が高まり店頭の主要スペースを確保しやすい秋冬に向けて、パッケージデザインを統一。シリーズのイメージ醸成を図り、陳列スペースの拡大にもつなげる。カラーリップ以外のシリーズ商品も段階的にリニューアルを行っていく。

 カラーリップの発売に合わせ、海外でも知名度のある俳優の矢吹奈子さんを起用したウェブCMやギフティング、くちコミ施策や大量購入につながる施策で流通店舗を支援する。インバウンド需要も取り込む。

 化粧品事業における流通の売上比率は高くない。リップクリームシリーズの再編を足掛かりに、スキンケア製品の展開拡大につなげていく。流通で強みのあるサプリメントとの内外美容も提案していく。

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