資生堂ジャパンがアバターでライブコマース 若年層、男性にアプローチ

2025年10月30日 13:43

2025年10月30日 13:43

 資生堂ジャパンは、美容部員が持つ専門知識や接客ノウハウを学習させたアバターを使ったライブコマースをテスト展開する。10月22日から始める。アバターを介した接客を行うことで、これまでのライブ配信で接点を持てなかった若年層、男性顧客にアプローチする。


 アバターを使ったライブコマースは初めてとみられる。アバターによる配信の可能性を検証し、顧客満足の向上と売り上げの拡大を図る。

1030134226_6902ecb2f24e8.jpg ライブ配信では、先輩役の女性キャラクターと後輩役の男性キャラクターがユーザーと双方向の対話を行いながら、美容情報や商品提案を行う。ライブ中に紹介したアイテムをタップすることで、商品購入ページにアクセスできるようにする。

 資生堂は、アバターを使った接客により、人に対して無意識に抱きがちな先入観、緊張感が軽減されるとみている。アバターは、「キャラクター」として、相談相手ではなく、共感者として受け入れられる傾向がある。商品提供だけでなくブランド体験や接客品質の重要性が高まる中、デジタルで培った美容の専門性、接客技術を取り入れアバターによる接客スタイルを確立する。これにより、ユーザーに安心感を持たせ、幅広く美容相談を受けることができる機会を提供する。

 とくに親和性の高い若年層の購買行動で「コト体験」が重視される中、ストーリーテリングやエンタメ性を持たせた視聴体験を提供することで、接点を築いていく。

 ライブ配信の女性キャラクター「M!ra(ミラ)」は、店頭での接客体験で培った安心感、美容情報を柔軟に取り入れる柔軟性のある人格を持たせた。肌悩みに沿った商品選択や使用方法を提案する。男性キャラクターの「Rai(ライ)」は、幅広いユーザーの悩みに対応してきた経験を持ち素直な性格。スキンケア、メンズ化粧品、UVケアの提案を得意とする。

 資生堂は、中国市場におけるライブコマースで培ったノウハウを活かし、20年7月から国内で美容部員によるライブコマースを本格化した。24年12月期のEC売上高は、日本国内が20%台後半の伸び、中国は1桁後半の増収だった。

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