ビィ・フォアードが国際物流を一貫提供、米国の非課税廃止で需要が急増

2025年11月13日 13:07

2025年11月13日 13:07

 中古自動車の輸出販売事業などを行うビィ・フォアードでは、海外輸送サービスの「ポチロジ」を手掛けており、輸送手続きから海外現地配送までの物流業務をワンストップで提供。近年は個人事業者やCtoCなど越境ECでの利用も拡大している。


 直近の傾向としてはカナダ向けの利用が伸びており、背景には現地郵便公社のカナダポストの相次ぐストライキが影響。日本からはBtoBの配送需要も少なくなく、在庫調達が滞る懸念からEMSの利用を避けて、同社に依頼するケースが増えているようだ。

1113130717_691559759b95e.jpg また、通販関連の利用トレンドとしては、日本の中古商品の人気が世界で高まっていることから、最近では中古ギターなど楽器類の配送依頼を受けることが増えている。こちらは北米をはじめ、欧州など幅広い地域向けで利用があるようで、SNSや大手越境ECプラットフォームを通じて販売を行う事業者やCtoC販路でも活用されているとする。

 全体的に利用が伸びているが、とりわけ、今年大きな転機となったのが、米国における輸入品の金額が800ドル以下の場合、関税を免除できる「デミニミス(非課税基準)・ルール」の廃止だ。8月末からの適用開始に伴い、日本郵便では内容品が100ドル以下のものを除いて、米国向けの小包やEMSを一時引受停止した。そのため、EMSに代わって米国宛ての発送手段を模索する消費者からの問い合わせが急増。中にはルール廃止後に個人で国際宅配便業者に依頼する消費者もいたが、個別案件の場合、送料のディスカウントが難しいため、料金で壁を感じてあきらめてしまうケースも少なくなかったという。

 しかしながら同社のポチロジは、既存事業の大口自動車輸出の実績で得たスケールメリットを活用することで、民間の国際宅配便業者の航空輸送で安価な海外配送ができることを特徴としている。また、北米やカナダであれば荷物を受けてから最速2日後には届けることができ、価格とスピードの両面で差別化となっている。

 加えて、EMSのように個人で書類作成などを行う手間が不要で、輸出通関手続きに伴う必要書類の作成や仕向け地ごとに異なる禁制品のチェックなどもすべて同社が代行。ピアノやゴルフバックといった大型の荷物にも対応することができるため、幅広い需要を獲得できているとした。

 今後に向けては、円安を背景に拡大が続く越境EC物流の需要獲得に向けた更なるテコ入れを進める。まずは、6月に第二種貨物利用運送事業(国際航空)の認可を取得し、日本国内での集荷業務を開始。これまでは顧客に国内の指定倉庫まで配送手配をしてもらう手間があったが、現在はそれが不要になり、書類業務から梱包などの付帯業務も含めて一貫して同社で請け負うことで利便性向上が見込めるとした。

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