メディプラスの成長戦略、3期連続で増収 商品啓発のベース整備しV字回復

2026年01月07日 12:48

2026年01月07日 12:48

 化粧品通販を行うメディプラスは11月1日付で経営体制を刷新した。池尻大輔氏が内部昇格で社長に就任。同日付で、内田恭平前社長は、グループで化粧品原料の研究・開発を行うメディプラス製薬の代表取締役に就任した。内田前社長はメディプラス在任中に事業戦略、組織改革を実施。2期連続の増収増益とV字回復を果たした。池尻社長、内田社長に今後の事業戦略を聞いた。


0107155635_695e03a316636.jpg ——2023年の社長就任以来、2期連続で増収を達成した。


 内田「顧客数、年間購入回数、購入単価など主要KPIに基づき各施策の見直しを進めてきた」


 ——16年以降の売り上げ低迷についてどこに課題を感じたか。


 内田「各部署、各人が発信する情報にばらつきがあり、製品・処方設計の背景や根拠、使用方法や利用を通じて得られるベネフィットなど美容理論が体系的に整理されていなかった。社内に美容部を設置し、オペレーターを対象にした勉強会の実施、ツールによる情報発信に一貫性を持たせた。啓発のベースを整えたことで購入回数や購入単価が徐々に改善した」


 ——前期(25年8月期)の実績は。


 内田「3期連続の増収、また増益を達成した」


 ——注力した取り組みは。


 内田「これまで数千円の価格差がある4種類のゲルを季節や肌状態に応じて同一価格でお得に購入できるサブスクリプションモデルを積極的に展開していたが廃止した。お得感から、製品理解、機能訴求にシフトした。また、物流拠点も3拠点から2拠点に集約した。今期から利益面でインパクトが出始めている」


 ——製品の提供価値の浸透はどう進めたか。


 池尻「昨年、メディプラス製薬の独自原料、オゾン化グリセリンを高配合した製品『メディプラスゲルコンク』を発売した。メディプラスゲルの約1割に相当する定期会員数を獲得し、シリーズの市場定着と認知度向上で女性誌を中心にベストコスメアワードも獲得した。


 メディプラスゲルコンクが好調なだけでなく、オゾン化グリセリン配合製品が限定品含め7製品と増えることにより、美容理論、カウンセリングに一貫性と厚みが生まれ、アップセル、クロスセル双方の活性化につながった」


 ——顧客の反応は。


 内田「お得なサブスクの利用顧客は約4割。廃止後も通常定期への移行は想定以上に順調に進んだ。購入単価も3〜4%向上した」


 池尻「主力ゲルは約4000円。高付加価値のメディプラスゲルコンクへのシフトが進んだことも購入単価、購入回数の改善に好影響があった。オンラインの獲得効率も好調のためテスト検証を続ける」


 ——再成長に向けた事業基盤の整備が進んだ段階での体制刷新の経緯は。


 内田「経営の若返りと、メディプラス製薬の強化・活性が理由だ。持論だが若手起用は早いほうがいい」


 ——選任の理由は。


 内田「メディプラスは、フレンドリーで共感性の高い企業風土が強みだ。一方で積極的な意見発信者のみにスポットがあたりがちだ。就任時にロッカールームではなくフィールドの活躍を評価すると社員に伝えた。ムードメーカーも大切だが、やはり点が取れる上手い人がスタメンにならなければいけない。財務、マーケティングなど幅広い業務に精通し、戦略立案の能力から適任と評価し池尻を推薦した」


 ——今後の経営方針は。


 池尻「消費者が商品を選択する際、提供価値だけでなく、接客、関係性など〝誰から買うか〟というのもポイントになる。一方でこれまでは数値目標を起点にした施策に引きずられる面があった。企業理念に沿った商品、販促、顧客コミュニケーションを実現したい。新たな会員制度の導入、30〜50代の顧客層獲得を狙いとする新製品の導入も予定している。


 実現には社員の意識改革も必要になる。ブレない企業理念の実現には社員の行動指針、人事評価にも反映する必要があり、社内風土醸成も必要になる。顧客の悩みへの寄り添いなど改善すべき点も多くある。理念や行動指針浸透のプロセス、人事評価のKPIを進化させ、企業体質を強化して事業成長につなげたい」


 ——中長期の事業成長の目標は。


 池尻「組織力を高めながら年数%安定した成長を目指していきたい」


 ——ECを含むチャネル構成比率をどうしていきたいか。


 池尻「ECを含む自社通販が売上の9割超を占めるため、モール拡大を狙う。自社通販の健全な成長を維持しつつ、モール売上比率を10%までに拡大させたい」

カテゴリ一覧