〈キャッチボールの河村要介社長に聞く ①〉 「BtoB決済、対応が強み」、〝勝ち筋〟掴む1年に

2026年06月10日 17:31

2026年06月10日 17:31

 スクロール360子会社で後払い決済事業を展開するキャッチボールでは、企業間決済サービス「掛払い.com」を強化している。2027年の創業20周年に向け、BtoB決済を一般消費者向け後払い決済に次ぐ「第2の柱」としたい構えだ。25年4月に就任した河村要介社長に、BtoB決済の成長戦略や、通販企業向けサービスの現状などを聞いた。


0611102113_6a2a0d8986372.jpg ——社長就任後1年間の取り組みは。

 「まずは体制を固めることに注力した。属人的な運用を見直してルールを決めたり、ルールを決めたり、システム化をしたり、マニュアルを作ったりといったことに着手した。また、RPAの活用も進めており、自動化することで生産性を高めている。会社を大きく拡大させるというよりは、着実に進める方向に舵を切ったということだ。ガバナンス強化に関して取り組んできたわけだが、まだまだ残っている部分があるので、今年は『整えきる』ことを方針としたい」

 ——生成AI活用については。

 「まだあまりできていない。審査ロジックや、コールセンターへの対応などについて活用できるのではないかと考えている。IVRによる自動音声対応は進めており、ここにAIが使えるのではないか」

 ——前々期は新電力などを中心に不払い率が増加したことで引当金を計上したが、この問題は解決したのか。

 「上半期で解決した。役務関連については、特定のサービスが問題だったので、ここを是正できればまだまだ伸びしろがあると考えている。物販についても引き続き力を入れており、化粧品・健康食品に関しては大手含めて商談が続いている」

 ——企業間決済サービス「掛払い.com」を中核に据え、BtoB決済を強化する。

 「今年度については大きな予算を取ってるわけではなく、まず〝勝ち筋〟をしっかりつかむのがテーマだ。ただ、ここ6〜7年で約100社のクライアントがある。例えば食品卸の伊藤忠食品が同サービスを導入しているわけだが、食品卸業界は非常に親和性が高いと感じる。食品はメーカーと商社がいて、さらには問屋と小売りがいる。これら全てに提案ができるのではないか。まだ勝ち筋とまではいえないが、このマーケットには注力したい」

 ——手数料での競争にはならないのか。

 「もちろんそういうケースもあるが、取引先を増やしたい事業者にとって大事なのは与信だ。そこで通ったとしても、付き合っていく中で途上与信がある。そこに一定の負荷がかかるわけで、さらに万が一のことがあれば督促業務も発生する。こうした業務をアウトソーシングしたいというニーズは、食品卸に限らず、どの業界でも根強いと実感している。例えば伊藤忠食品の場合、大口の取引先管理は得意でも、たくさんの小口取引先を管理するノウハウはなかった。当社は小口の与信管理が得意なので、全ておまかせいただいている。一方で大口取引先との親和性も高いので、いろいろな使い方をしてもらえるはずだ」

 ——営業はどのように強化する。

 「アウトバウンドの営業だけではなく、パートナー戦略も強化していく。ただ、BtoCの通販関連の取引先を紹介してもらえる代理店は多いが、BtoBに関する提携先はあまり多くない。そこで、昨年1年間はBtoB案件を扱う代理店を開拓した。すでにそこからリードも発生している。今後はウェブからのリード獲得や、展示会出展も強化していきたい」

 ——競合と比較した際の強みは。

 「後払い決済に関しては、BtoCもBtoBも機能差は各社大差なくなってきている。当社の場合、与信から回収、コールセンターまで自前で手掛けているので、対応で差別化していきたい。例えばコールセンターの場合、他社はアウトソーシングであることが多い。自前で運営している当社は、取引先と利用者のことを、より理解した上での対応ができる。『クライアントがどんな商品を扱い、どんな売り方をしているのか』ということを、クライアントのサービス利用が始まる前に、コールセンターで勉強会をしている」(つづく)

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